日本データマネージメント・コンソーシアム

レポート

報告:第8回 マーケティングシステム活用研究会(2021/1/21)

(研究会リーダー・石田麻琴)

JDMC研究会1-2「マーケティングシステム活用研究会」は1月21日に今期の第8回の研究会をオンラインで開催しました。今期のテーマは「データ活用人材の育成プログラムの作成」。企業におけるデータ活用人材を育成して、データ活用ができる組織を醸成するために、どのようなプログラムが必要になるのか。研究会で育成プログラムの作成を進めていきます。

 

◆データ活用ができる人材とはどのような人材なのか?

前回の研究会ではデータ活用人材の人材育成プログラムを作成するにあたって前提となる文章の作成と検討をおこないました。前提文は「1.データ活用人材育成プログラムの背景」「2.データ活用人材育成プログラムの立ち位置」「3.データ活用人材育成プログラムの目的」「4.データ活用人材の定義」の4つで構成をされています。

この中でも特に重要なのが「4.データ活用人材の定義」です。研究会メンバーの中ではなんとなくイメージは統一されているのですが、それでもなんとなくです。言葉として説明ができないようでは、JDMCの皆さん、企業の皆さんにはっきりとしたイメージをもってもらうことができません。研究会メンバーの2名が「データ活用ができる人材とは?」について資料を作成しました。

 

◆データを使ってビジネスの全体最適が測れる人材

データ活用ができる人材とは、業務目標を達成するために必要なマーケティング施策を、社内外のデータを用いて立案するとともに、その効果測定を含めたPDCAサイクルに関する業務設定ができる人材。そしてそれらのマーケティング施策は、事業目標からマーケティング・データ・システム各々の運用までを一気通貫して整合性を取る必要があり、幅広い知識が必要。データを使ってビジネス自体を全体最適することができる人材を「データ活用人材」と呼ぶイメージです。

この場合、事業目標や導入システムは個々の会社によってケースが細かく異なる可能性があるので人材育成プログラムとしては「ケース論」での整理、マーケティングとデータのナレッジについてはある程度体系化をして人材育成プログラムのカリキュラムに仕上げていけるのではないかという意見が出ました。

 

◆仮説検証を企画・実施できるスキルが必要

現代ビジネスでは事業規模の拡大や新規事業の立ち上げに対して、戦略・戦術を立案し、PDCAを回していくことが欠かせません。PDCAを回すためにはデータによる裏付けや施策の適切な軌道修正が欠かせないわけです。「4P」「3C」「PEST分析」「SWOT分析」などがこれまでのデータを用いた「現状分析」であるのに対して、データ活用は「仮説検証(シミュレーション)」になります。データ活用はフィールドワークが中心が中心になるのです。

データ活用ができる人材に必要なスキルとして、「課題抽出・課題設定」のスキル、「IT活用」のスキル、「分析」のスキル、「対人折衝」のスキルの4つのスキルがポイントになるのではないかと意見が出ました。この4つのスキル。よく考えるとPDCAを回す過程の流れとそっくりなのです。特に重要なポイントとしてあがったのが「対人折衝」です。なぜならデータの裏側にある「要因・原因」の整理が仮説検証のためには不可欠だからです。

 

次回、2月の研究会ではデータ活用人材の「必要スキル」の掘り下げと、人材育成プログラムでどのような表現をするかを議論します。

 

<履歴>

報告:第7回 マーケティングシステム活用研究会(2020/12/3)
報告:第6回 マーケティングシステム活用研究会(2020/11/12)
報告:第5回 マーケティングシステム活用研究会(2020/10/29)
報告:第4回 マーケティングシステム活用研究会(2020/9/24)
報告:第3回 マーケティングシステム活用研究会(2020/8/27)
報告:第2回 マーケティングシステム活用研究会(2021/7/30)
報告:第1回 マーケティングシステム活用研究会(2020/6/24)

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