日本データマネージメント・コンソーシアム

レポート

2013年度 研究発表会 概要

2014年5月28日、活動開始から4年目を迎えた東京日本データマネジメント・コンソーシアム(JDMC)は、東京・渋谷にあるアイビーホール(青学会館)で、2013年度の活動を振り返る研究発表会が開催された。JDMCの研究会はテーマ1~8までの8つ。それぞれどのような活動をしてどんな成果が得られたのか、各研究会のリーダーがその概要を披露した。(※各研究会名称は2013年度のものです)


 

テーマ1:企業におけるソーシャルデータ活用研究

概要について発表したのは、リーダーを務めるカシオ計算機の菅野雄二氏。

■日本企業全体の競争力強化に貢献するWebやソーシャルメディアのあり方を探求
当研究会の目的は「情報収集力、分析力、発進力の強化」につながるWebやソーシャルメディアのあり方を探求し、日本企業全体の競争力強化に貢献していくことである。事例研究やベンダー企業が講師となりソーシャルデータに関する最新技術などを学べる勉強会を通して、参加した人たちがそれぞれ何かを持ち帰ってもらうことを重視している。
会合は平日夕方の開催、会場は持ち回りで、軽食をとりながらリラックスした雰囲気の中で行っている。
活動も活発だ。1年間に8回定例会を開催し、出席率は60パーセント。参加者の内、3分の1がユーサー企業、残りはベンダー企業となっている。もっとユーザー企業が参加するとより面白い研究会になると期待している。

成果の概要を報告したのは、サブリーダーの富士通の森田功氏。
当研究会の成果の一つが、事例を整理して抽象化してまとめたもの。事例を『どのようなメディア』が『どのような利用をしているのか』という切り口で抽象化し、整理した。少ないデータではあるが、そこからわかったことは、ソーシャルメディアの活用は増えているが、あくまで即時性の高い情報をSNSで発信し、企業サイトに誘導するという使われ方が多く、情報を収集して分析していることまではまだあまり行われていないということだ。とはいえ、SNSの活用内容も徐々に進化しており、最近では動画を活用するケースも増えている。例えば操作説明やセミナーなどを動画で披露することに加え、情報過多に対応するため140文字しか発信できないTwitterや、6秒動画などでのインパクトコンテンツ発信を重要視し、企業サイトに誘導するのである。
同研究会では来年度も継続して活動する予定だ。活動内容も今年と同じイメージだが開始時に具体的な活動内容を決める。この研究会に参加するメリットは、企業のソーシャルデータ活用のリアルな情報が得られることだ。新しいメンバーを募集している。ぜひ参加して欲しい。

テーマ2:最新技術の研究と適用事例の考察

発表者 岡下 浩明氏(レッドハット)

■同系列の製品の話が一度に聞ける、有意義な勉強会
当研究会は2013年6月にスタート。テーマは最新技術と幅広いため、1回目にメンバー全員で議論し対象技術を絞った結果、13年度の対象はNoSQL/インメモリデータベース、BI、データウェアハウス。これらの最新技術動向と企業における採用状況、適用効果について研究した。同研究会はベンダーの意見を聞くという、メンバー参加型を採用している。後半はオープン形式で開催。その理由は、30人~50人ぐらいの参加者がいることで、ベンダーの協力が得やすいからだ。各回、同じような技術を提供しているベンダー数社が講師を務め、情報を提供してもらうというスタイルだ。
研究会は7回開催。その中でわかったことは、競合だと思っていたものでも、製品開発のアプローチや使いどころが異なることがわかった。そしてベンダー同士、つながりがあることもわかった。会員とベンダー、ベンダー同士のつながりの場ができたということだ。当研究会の成果は会員アンケートの結果が示してくれる。ほとんどの人が役に立ったという評価。同系列の製品の話を聞けるので、非常に有意義だったという、コメントが多く聞かれた。特に評価が良かったのは、第2回目の「NoSQLの基礎知識、技術情報を習得する」で登壇したクラウディアン。そのときに提供された「NoSQL製品特長」という資料はJDMCのサイトで公開しているので、ぜひ、参考にして欲しい。(https://japan-dmc.org/?p=3179
もちろん、テーマそのもののつながりが見えにくかった、オープンな形式の回が多く、研究会に所属しているメリットが感じられない、ディスカッションの時間が欲しいなどの改善コメントに対しては、14年度の活動に生かして生きたという。
14年度の研究対象はBIやビッグデータ解析技術、ETL、データクオリティ(名寄せ技術)、データを扱うPaaSソリューション、ソフトウェア定義ストレージなどを予定。そのほかにも新規会員の意見、その他JDMCベンダー会員保有の技術、サービスについて研究していきたいと考えている。また当研究会ではサブリーダーを募集している。我こそはというベンダーの方、ぜひご協力を。

◎ご参考
研究会ブログ
https://japan-dmc.org/?p=3179

テーマ3:海外先進事例に学ぶ行政データマネジメント研究会

発表者 柏崎吉一氏(エクリュ)

■日本の行政データマネジメントにおける課題とあるべき姿を考える
JDMCでは民間企業におけるデータの活用にフォーカスする研究会が多い中で、当研究会で地方自治体や政府省庁におけるデータの取り扱いについて研究している。政策の立案・評価、住民ニーズに即した行政サービスの実現、社会インフラ整備、新産業の育成などに生かすため、政府や行政機関が収集・保有するデータを適切に活用することが求められている。その前提として、全体最適という戦略的な視点からの組織・業務間におけるデータ流通の基盤やルール、データマネジメント体制の確立が欠かせない。そこで当研究会では諸外国の事例を検証しながら、日本の行政データマネジメントにおける課題とあるべき姿を探り、提言につなげる活動を行っている。
活動は丸2年を終え、この6月から3年目。毎月1回ほど、主に三菱電機インフォメーションシステムズの会議室で研究会を開催している。活動形式は主に外部の有識者を招いた形で情報や意見を交換するというもの。昨年度のメンバーは約25人。自治体関係の案件に携わっているベンダー、行政関係者、オープンデータに関わるコミュニティに参加している個人の方などで構成されている。
私たちが研究対象としている行政データは大きく二つに分かれる。一つは行政サービスを個人/法人に提供するための基幹業務を支える各種データ。もう一つは業務を通じて生成され、外部に情報公開されるオープンデータである。
13年度は研究会を10回開催。そのうちの7回は有識者の講師を招いて、オープン形式での情報交換。研究会は新たな参加した方も情報交換に入れるよう、昨年度のおさらいをしながら進めている。活動の一端をJDMCのサイトにレポートとして公開しているのでご覧頂ければ幸いだ。例えば第6回では研究会の枠を超え、テーマ8「データマネジメントの基礎概念定義と価値理解」のメンバーを招いて、多角的な意見交換を行った。また最終回の第10回では、札幌市の基幹システムを刷新したピースミール・テクノロジーの林代表などを招き、自治体の実務現場おける宛名情報の管理の実情やマイナンバー対応における課題などを伺った。
これまで海外(行政上の制度や業務プロセスが類似する韓国)の事例、国内の事例を学んできたが、次年度(2014年)はさらに自治体、政府、省庁など行政組織におけるデータマネジメントの状況や成熟度の把握に加え、関連するコミュニティとも情報交換、人的交流も図っていきたい。マイナンバー対応については、まだ様子見の自治体が多い。業務が縦割りでデータが電子化されていなかったり、縦割りのデータベースで共通基盤ができていなかったりする。オープン化の流れが進む中で自治体間を超えた共通基盤の整備、共同利用についても調べていきたい。
研究意欲やご関心のある方は、ぜひ奮ってご参加ください。

◎ご参考
研究会レポート
https://japan-dmc.org/?p=3317
https://japan-dmc.org/?p=3252

テーマ4:MDM(マスタデータマネジメント)の価値と進め方研究

発表者 水谷哲氏(富士通)

■マスターデータマネジメント(MDM)取り組みにおける悩み・課題の共有、解決の場
昨年あたりから、MDMがモバイルデバイスマネジメントだけではなく、マスターデータマネジメントとしても通用するようになってきた。地味な分野ながら、着実に浸透してきている。
当研究会の目的はMDMに関する課題を打破し、事例を作ること。2012年度の「統合マスタ構築(商品、部品)と運用の勘所研究会の「製品マスタ」研究を引き継ぎつつ、研究対象を製品・商品マスタから拡張し、マスタ全般に拡張したことで「MDM」を名乗っている。
メンバーは約20人。うちユーザー企業の方は4人(4社)。毎回、10人程度が継続的に参加している。活動を通じて実感するのは、月並ではあるが「MDMの実践は難しい」ということ。なぜMDMは難しいのか、その理由は大きく4つある。
第一はMDMの定義が広範であること。ユーザー企業だけでなく、プロも専門領域によって解釈が異なる。標準化・名寄せ・データ入力・ITインフラ・人間系の問題など、ジャンルを網羅して、議論の土壌に乗るまでに時間がかかった。
第二にMDMの実践にはハイレベルかつ長期的な意思決定が不可欠であること。ボトムアップではなかなか始められない。トップダウンでも人が代われば中断してしまう。
第三はビジネスシナリオが重要であること。単にマスタデータが不備というだけでなく、改善によってどれだけの経営効果がどのような局面で得られるか、といったビジネスシナリオが必要になる。このようなシナリオは一朝一夕には作成できない。
第四は継続が必要であること。例えば日付のデータ一つとっても、西暦、和暦、数字、漢字など人それぞれ書式が異なる。こうしたバラツキそれ自体がマスタデータの劣化であり、MDMの後退を意味する。
当研究会は悩みの共有、できれば解決まで得られる場。公式の活動だけでなく、参加した人が何かお土産(話)を持って帰れるようにしている。今年度もオープンな形式で活動しているので、ぜひ、一度のぞきに来てほしい。

テーマ5:今こそ見直そう。データ(見える化)と経営のあり方

報告するのは、東京海上日動システムズの山田文彦氏。

■業種・業界ごとの事業機能単位でデータ活用できるよう課題解決に取り組む
当研究会の2013年度の活動の目的は大きく2つ。第一に業種・業界ごとの事業機能単位でのデータの流れと課題・あるべき姿を整理し、データ活用のレベルを定義すること。第二に自社レベルが客観的に見える化し、目指すべき方向性や乗り越えるべき課題、それを実現することの意味、データ活用の重要性などの理解につなげることである。13年度の活動で目指したのは各メンバーが自社に戻ったときに何らかの提案ができること、業界別事業機能単位でのデータ活用レベル、アプローチ方法を整理することである。そのため当研究会では、「金融・通信」と「製造・流通」と業界別に分科会を設置して議論を展開。各分科会で検討した内容を共有しながら、課題解決策を整理し、データ活用レベルやそのレベルを高めるためのアプローチを整理した。研究会・分科会は全12回。そのうち1回は事例研究ということで、ベストプラクティスについての講演を開催している。
金融・通信分科会では、課題の洗い出しから実施し、業務観点の課題のピックアップ、データ活用場面でのビジネス機能の整理、データ活用の狙いと課題の整理、レベルを高めるためのアプローチ方法整理・検討を行った。企業のレベルについては、先進的視点、経営管理視点。業務現場視点別に整理した。データ活用へのアプローチ案については、勉強会という形式を取りながら、メンバー全員で悩みながら考え、なんとかまとめ上げたというもので、まだまだ検討の余地はある内容となっている。
一方の製造・流通分科会の活動内容を報告したのは、サブリーダーの富士通総研の池田義幸氏。製造・流通分科会では、各課題について想定される原因~あるべき姿までをメンバーが提示し、その対応策や実現難易度、実現のために解決すべき課題について整理・検討を行った。
まず行ったのは、データ活用取り組み事例を整理するため、目的を設定すること。経営者、事業マネジャー、現場マネジャーという3つの視点で業務(会社運営、事業運営、企画、設計・開発、購買、生産、販売、物流・在庫、保守、人事、経理)におけるデータ活用の目的を整理。次に整理するための記述要領を定めた。それらを元にそれぞれの業務領域でどんなデータが必要か、深掘りをしていった。
このように2013年度の活動では、参加メンバー企業が実情を持ち寄り、悩みや課題の解決策を話し合うことができた。これにより一定の成果を上げたと考えている。一方で、深掘りが不十分で具体的な施策にまでは落とせなかったのは残念だった。
2014年度も活動の継続を予定。13年度に実施してきたことを引き継ぎ、業種・業界ごとの事業単位でのデータの流れと課題・あるべき姿の深掘りや、業務モデルを意識したデータ活用の課題、あるべき姿の研究などに取り組んでいく。さらに業務領域を絞り込んだ深掘りと解決策への落とし込み、業種・業界共通の考え方、フレームワークの策定まで進めることを考えている。

テーマ6:顧客行動分析による新たなマーケティングアプローチとは

発表者 佐藤市雄氏(SBIホールディングス)

■顧客行動分析による実践的なマーケティングアプローチの研究を予定
当研究会の目的は顧客に対して効果的にアプローチするために、社内外に存在するデータの把握、その活用するための仕組み、および活用する際の注意点や課題を明らかにすることである。最初に定めた研究内容に沿ったケースをメンバーが持ち寄り、ディスカッションを行う。登録メンバーは50人という大所帯だが、毎回の参加者数は10~20人。4割がユーザー企業で締められており、ユーザー企業をベースに議論が展開されている。
またあまりにも熱く語りあってしまうため、毎回第二部を実施。そこでも熱い議論が交わされるという研究会だ。
2012年度の成果は、顧客の定義とアプローチについてのまとめたこと。B2C、B2B双方の顧客を優良化していくアプローチ方針について整理した。2013年度のテーマは顧客を優良化していくためのデータ活用について。社内外のデータを活用したアプローチやデータ利用について懸念すべきことなどを検討。またアプローチに適した筋のよいデータ(=ビジネスに役立つデータ)を見つけ、それを使いこなすようにするためのフレームワークについても検討を行った。というのもいずれの企業でもデータは必ず存在する。課題なのは使いこなせていないからだ。ではどうすれば使いこなせるか。そのために重要になるのが、筋の良いデータを見つけることなのだ。そのためにはフレームワークを用い、自社の内外にあるデータ、競合他社を俯瞰的に扱うことで、データの性質・組み合わせが見えてくる。自社戦略に合わせて内外データの組み合わせ、それによって生成された2次データの活用こそが、マーケティングアプローチにおいて成果につながることになる。
今年度は新たなマーケティングアプローチの一つとして外部データの活用にフォーカスした。2014年度はステップ3(普及/定着化)に向け、事例研究/ディスカッション形式でのケース研究を継続して実施。研究テーマは顧客行動分析による実践的なマーケティングアプローチとは(仮)を予定。みなさん、ふるってご参加を。

◎研究会ブログ
https://japan-dmc.org/?p=2224

テーマ7:情報成熟度モデル研究とデータマネジメント実態調査

発表者 伊阪哲雄氏(伊阪コンサルティング事務所)。

■成熟度評価指標の作成、整備に加え、ヒアリングによる成熟度診断を実施
当研究会の目的は情報活用成熟度モデルの作成・高度化、モデル適用によるユーザー動向の把握と傾向分析、モデル公開による各社の自己診断、データマネジメント継続的実態調査による傾向分析と啓蒙活動のための課題抽出。メンバーは13人。2013年度は研究会を16回開催。2014年1月以降はJDMCユーザー10社にお願いして、トライアル調査(ヒアリングによる成熟度診断)を実施した。
DMBOKやEMCコンサルティングなどのさまざまな事例・文献を参考に策定したIT活用度合いの成熟度モデルは、経済産業省のモデルを参考にレベル1~4で分類する。成熟度モデルの利用者は企業のIT部門はもちろん、SIer、コンサル、パッケージ販売会社など。今回の成熟度モデルは売上規模1000~3000億円、従業員規模500~3000人、IT投資額1~3%、子会社および海外法人ありという製造業(B2B、部品)を想定して、策定した。評価軸は23次元、評価項目は120項目。本成熟度モデルはJDMCユーザーなら誰でも使えるようJDMCサイトに公開を予定している。評価項目ごとに設問を作成。設問に応じて単一選択、複数選択形式を採用、その結果で成熟度を診断するというもの。先述したように今年度は10社ほど先の成熟度モデルを活用し、ヒアリングを行った。各社の診断結果はチャート化した。10社のうちの1社は商社的な活動形態のため、評価対象外の項目があった。その項目の値は0になってしまうので、該当しない項目が除外できるようなチャートの仕組みに改善したい。
データマネジメント実態調査も実施した。アウトプットは「IT Leaders」で紹介されている。今後も同じ形式で調査の継続を予定している。
2014年度の研究内容は、第一に成熟度評価指標の追加・拡充。中でもデータガバナンスの成熟度評価指標の整備を13次元の別のモデルを作る予定だ。また、顧客データ統合(CDI)の成熟度評価指標の整備を行い、JDMC参加企業の10社程度に実施予定。JDMC参加企業に対してPIM系モデルの適用を10社程度の追加成熟度評価も実施したいと考えている。並行してPIMの成熟度評価については、JUAS(日本情報システム・ユーザー協会)および他の企業で成熟度評価の実施を予定している。当研究会ではメンバーがユーザーヒアリングをする。これは非常に勉強になり、多様な知識習得と実態把握ができるので、ぜひ、参加を。特にユーザー企業の方、ぜひご参加を。

テーマ8:データマネジメント基礎事項定義と価値理解

研究会の概要および2013年の活動について発表したのはリーダーを務めるNTTデータの北川雅嗣氏。

■データマネジメントの価値の理解を進める冊子の整備に加え、データマネジメント人材像のスキル定義にも着手
今年度、当研究会では2つのテーマに取り組んだ。1つは、JDMC会員からもデータマネジメントを推進する上での悩みとしてよく挙がる「経営層にデータマネジメントの価値をどのようにして理解してもらうか」という課題についてである。もう1つは、当研究会が設立当初から担うミッションである、データマネジメントの基礎事項を定義する各種ドキュメントについての、普及・ブラッシュアップ活動である。全12回の会合を開催し、メンバーの7割が参加するという、比較的参加率の良い研究会となっている。

具体的な成果を紹介すると、1つ目の経営層にデータマネジメントの価値をどのようにして理解してもらうか」について、当研究会では経営層に向けた冊子を作成することとした。当研究会に所属するベンダー企業・ユーザ企業双方のメンバーで、その構成案およびコンテンツ案を持ち寄り、ディスカッションする形式で検討を進めた。構成としては、データマネジメントを実践することで得られるメリットが分かりやすい「先進的な取り組み事例」と、一方でデータマネジメントを実践していないことで発生しがちな「よくある問題」で経営層にデータマネジメントの重要性をアピールすることとした。「先進的な取り組み事例」では、データマネジメントをどのように進めていったのかを本田技研工業の有吉CIO(当時)にインタビューし、その内容を元に執筆した。今後、上記2つの内容に追加する形で、「自社の状況を知るには」「どのような取り組みをすればよいか」についても執筆する予定である。今年度作成したドキュメントはJDMC内で公開を予定している。

もう1つは「データマネジメント概説書(JDMC版)」を含むデータマネジメントの基礎定義ドキュメントのブラッシュアップに取り組んだ。初学者にとってもわかりやすく、有識者から見ても間違いない内容にすることを目標に実施した。当研究会の新規メンバーからはもちろん、JUASデータマネジメント研究会や他の研究会との交流会で意見を収集し、それを反映した更新版を作成した。JUASデータマネジメント研究会との交流会は、今年度も継続していく。

2014年度の活動については、菱化システムの池田信威氏が発表した。

活動案は大きく3つ考えている。一つは経営層にデータマネジメントの価値を理解してもらうための冊子制作を引き続き行っていくこと。データマネジメントの取り組みにより効果を上げている有名企業のトップインタビューを行い冊子にまとめていきたい。第二は現場でどんなことを考え、どんな苦労があったのかという現場の声を冊子にまとめていくことも考えている。現場とマネジメントのギャップをデータマネジメントの勘所の提言としてまとめていくことも考えている。第三の活動はデータマネジメント人材像のスキル定義。これは新規活動で、2014年4月よりITスキル研究フォーラムと共同で既に取り組みを開始。データマネジメントに取り組んでいくためにはどのようなスキルを持った人材を育てれば良いのか、タスクや知識、経験、活動領域に関するモデルを明確に定義していく。当研究会はデータマネジメントについて先進的な取り組みを行ったキーパーソンの話が聞けることに加え、データマネジメント・スキルの議論など実践的な内容が詰まっている。ぜひ、ご参加を。

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