【報告】2016年度総会、研究発表会ダイジェスト

2016-06-28

2016年5月25日、日本データマネジメント・コンソーシアム(JDMC)の総会&研究発表会が東京・渋谷区のアイビーホールで開催された。どんな発表が行われたのか、ダイジェストで紹介する。

soukai2016-1 総会はJDMC会長、NTTデータ栗島聡氏の挨拶から始まった。

栗島氏の挨拶の概要は次の通り。
JDMCは今年で6年目を迎える。ICTの進展は目覚ましく、それらから発生するデータの活用についても注目を集めている。データ活用への理解は深まっているが、その礎となるデータマネジメントの認知はこれからだ。しかしながら今後一層重要になることは間違いない。JDMCではこれらの重要性を訴求すべく、情報発信力向上にも努めたい。会員各位のご協力を引き続きお願いする。

総会は、総会議長 栗島氏、事務局 大西氏の進行により滞りなく終了。続いて研究成果発表会が始まった。

研究会発表は、2015年度に完了する研究会2つ、継続・新設される研究会6つと会長特命プロジェクトの計9つの発表があった。

 

 

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研究成果発表 ~完了する研究会

 

1. 企業におけるソーシャルデータ活用研究

 
study2016-1発表者はアシストの堀内康夫氏。発表内容は以下の通り。

企業の競争力強化の顧客接点として、ソーシャルデータ活用最新情報・事例研究を行った。
主に、以下の点について活動をした。

・ソーシャルメディアガイドラインの作成
・ソーシャル活用Tipsの作成
・テーマ6との連携、ディスカッション
・テキストマイニング研究

◎成果物:
・ソーシャルメディア特徴一覧のブラッシュアップ
・企業課題別ソーシャルメディア活用事例集

◎成果の概要:
検討を進める中で現場の方々がより分かりやすくすぐ使えるものを作ることを意識した結果、昨年度の活動から一歩踏み込んで事例集の作成まで至った。

また、企業におけるソーシャルメディアの有効活用については、
・データの発生源であるソーシャルメディアとの関わり
・企業の目的明確化したうえで取り組むこと
・双方向のメディアであることを念頭に、常に利用者に配慮して良い関係を築くこと
が肝要であると感じている。

本研究会は、2016年度は「顧客⾏動分析による実践的なデータマーケティングのアプローチ研究」に内容を引き継いでいく。
 

2. 先進事例に学ぶ行政データ活動研究

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発表者はエクリュの柏崎吉一氏。発表内容は以下の通り。

本研究会は、国内外の行政機関におけるデータの利活用や基盤整備の取り組みを学ぶ勉強会として2012年度に発足した。

本研究会は2016年度、「データマネジメントの基礎と価値」に統合され、その中の活動会の一つという位置付けに変更される。

現在、この活動会として注目している内容は以下の通り。

・国が推進している情報共有基盤の整備・啓発普及
・地理空間情報の標準化、互換性確保の動き

今後も地方公共団体や行政機関へのヒアリングや意見交換の場を設けたいと考えている。
 

研究成果発表 ~継続・新規研究会

テーマ1: 顧客行動分析による実践的なデータマーケティングのアプローチ研究

 
study2016-3発表者はセイコーエプソンの小泉泰慎氏。発表内容は以下の通り。

本研究会は2011年度から活動をしており、顧客データおよび行動データについて、マーケティングのアプローチを研究している。今年度は実ビジネスで幅広く活用できる知識を得られることを意識して、データマーケティングの普及・定着に向けたガイドラインの構築、フレームワークの検討を行った。

◎取り組み内容:
研究会参加メンバーの多くが、データ分析活用部門であったため、その視点からデータマーケティングのフレームワークの構築を行った。進め方としては、データ活用に関する実際の事例をもとにケース分析を行い、エッセンスを抽出してフレームワークに反映していった。今回の発表でも、いくつかのケーススタディをフレームワークに当てはめて説明していた。

◎2016年度の活動について:
「データマーケティング」の普及と定着へ向けた活動を継続する。
2015年度に構築したフレームワークを軸に事例共有とディスカッションによるケース研究を通して、ガイドラインの構築に取り組む。
 

テーマ2: データマネージメントの基礎と価値

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発表者は菱化システムの池田信威氏。発表内容は以下の通り。

データマネジメントの価値の定義、データマネジメントの啓発・普及に焦点を当てて活動を実施

◎取り組み内容:
・データマネジメント・ケーススタディボトムアップ編
データマネジメントに係る課題や様々な状況における段取り、ティップス・工夫などを盛り込んだ「はじめの一歩」を具体的に踏み出すイメージが出来るケーススタディ実践書を刊行した。

・データマネジメント概説書の解説リーフレット
2014年度に刊行した、「データマネジメント概説書」を分かりやすく解説したリーフレットを作成

◎2016年度の活動について:
以下の2つに焦点を当てて活動を実施する。
・データマネジメントの価値と企業/組織活動における位置づけの確立及び普及
・データマネジメント実践のために必要となる具体的な取り組みの整理及び促進

具体的には、
・データマネジメントスタートアッププログラム
「概説書Ver2.0」のメジャーバージョンアップの企画・検討前準備の意味も含めて、
新規に参加された研究員を対象としたデータマネジメント勉強会の開催

・データマネジメントの価値の定義
DMの全体像を把握するための教科書「概説書」のメジャーバージョンアップの企画・検討、
実際に行われた取り組み事例ならびに執筆メンバーの経験・知識に基づき具体的にイメージが理解出来るケーススタディの作成

・データマネジメントの普及・啓発
DM活⽤研究を行っているJUAS等の他団体との交流会ならびに地⽅公共団体へのヒアリングを通したDMの普及・啓発活動

また、本日「データマネジメント・ケーススタディトップダウン編」を刊行したので、是非購入いただきたい。

※詳細こちら(https://japan-dmc.org/?page_id=6153
 

テーマ3: MDMと成熟度

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発表者は伊阪コンサルティングの伊阪哲雄氏と富士通の水谷哲氏。発表内容は以下の通り。

<成熟度モデル>:伊阪哲雄氏
・顧客データや製品データなどのマネジメントに関わる成熟度を調べるための診断ガイドラインの作成
・「データマネジメント実態調査」の実施と発表

<MDM(マスタデータマネジメント)>:水谷哲氏
マスタデータマネジメントの実践者相互の事例とノウハウ共有を第一に、実践のための組織的・技術的ガイドラインを検討。

◎取り組み内容:
<成熟度モデル>
成果物として以下を作成。
1) 顧客統合情報(CDI-D/D(Distributor)熟度モデルの作成
2) 成熟度モデルをJDMCユーザー企業での適用と傾向分析
3) データマネジメント実態調査と過去2回の調査との比較
4) 成熟度モデル・アーキテクチャのドラフト作成

<MDM(マスタデータマネジメント)>
研究会は事例・実践情報共有の場と位置づけ、事例共有およびディスカッションを実施。
参加者相互の知見・実践ノウハウを交換しつつ、知見の集積を行う。MDM実施レベル(ガイドライン)やMDM地図(実践事例集)などを通じた事例一般化を目指す。

◎2016年度の活動について:
成熟度とMDMそれぞれサブワーキンググループ形式で研究会活動を実施する。
メンバは両方に参加可能、また移動も可能。
四半期ごとに交流会を実施し、最新状況の共有と共同作業を行う。

<成熟度モデル>
1) 成熟度評価指標の追加・拡充
2) 情報活用成熟度モデル・アーキテクチャに従う評価のJDMCユーザーでの実施
並びに、JUASおよび他の企業での成熟度評価の実施
3) 成熟度セルフ・チェック・システムの準備
4) データマネジメント実態調査の継続実施

<MDM(マスタデータマネジメント)>
「MDM (マスタデータ管理)」をデータ活用全般のための土台と位置づけ、データを自在に活用できる状態に持っていくまでの領域に特化した研究を行う。ひろく経験者・有識者を募り、実践知の交換および一般化したガイドラインの作成を行う。
 

テーマ4: 経営におけるデータ活用ガイドのあり方

 
study2016-6発表者はクオリカの五十島良一氏。発表内容は以下の通り。

経営はどうやってデータ活用をしているのか?をテーマに、自社のレベルを客観的に見える化し、データ活用のあり方を研究。

◎取り組み内容:
経営視点に立った時にデータをどのように集めて使えるようにしていくべきか?など、
経営におけるデータ活用のあり方を研究した。
1) 業種別の業務モデル定義
2) データ経営フレームワークとデータの関係を調査・検証

◎2016年度の活動について:
・データ経営の在り方について、ユーザー企業へのインタビューを実施し、「データ経営事例集」を策定・公開する。特に、トップマネジメントへのインタビューを実施したい。

・業種・業態別の業務モデルから事業機能や事業機能間でのデータの流れと課題・あるべき姿をより深堀する

・業種・業界毎に、データ活用面で研究メンバーの課題認識が大きい業務領域(事業機能)を絞り込み、 課題共有からあるべき姿を考察し、データ活用度の整理・検証をしていく

・データ経営フレームワークの要素・対応策から、データの紐付・活用の整理・検証をしていく
 

テーマ5: DM実践勉強会~事例中心に経営・業務視点でDM実践の手法を学ぶ~

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発表者は清水技術士・診断士事務所の清水孝光氏。発表内容は以下の通り。

データ視点で経営革新・業務改革の実践を目的とする勉強会。
「データは経営・業務と一体不可分。DMは経営・業務のMUST条件」という視点でカリキュラムを組んでいる。
特徴は、トップダウンの位置取り戦略(経営戦略論、マーケティング理論等)とボトムアップの現場主導の組織力強化戦略をデータ視点で融合させていることである。

◎振り返り
2015年に新設。講義形式で全11回実施(含:演習、ディスカッション等)
事例による具体的検討を重視。ビジネス事例×40。歴史事例×9。スポーツ事例×2。計50事例以上を検討対象にした。歴史事例は、経営課題の検討に重要な組織論・組織文化等の検討のため、スポーツ事例は競争戦略等の検討のために取り上げた。
また、実践を主眼にしているために、コミュニケーション向上のエニアグラム・ワークショップを実施した。

2015年は、初年度ということもあり、DM実践に必要な非常に広範囲で深い内容を取り上げ体系化を主眼に実施した。講義は、時間の制約上、概説にとどめて全体像に触れることを心がけた。

◎成果物
・講義のパワーポイントのスライド490枚(リーダ作成分のみ)。
・演習課題、検討結果。
・アンケート
・動画

◎2016年度の活動について
引き続き、同様の形態で実施する予定。今年は、現場主導のDM実践に重点を置く。
テーマとして取り上げる予定は、組織の「サイロ化」「タコツボ化」など。
データ要件定義等のブラシュアップ、データ品質管理の規格ISO/JIS25000の活用などで、さらに内容の充実を図っていく。
 

テーマ6: IoT・AI研究会 (新研究会)

 
study2016-7発表者は日本テラデータの金井啓一氏。発表内容は以下の通り。

IoTとAIをどうビジネスに活かすかを研究する。
当研究会では、IoTやAIについての最新情報や事例を学び、ビジネスにどう活かすのか議論し、またIoTやAIにおけるデータマネジメントはどうあるべきなのか、コンセプトから具体論まで追求しまとめる。

◎2016年度の活動について:
各参加メンバーが自社において、IoTやAIにどう対応し、どう活用すべきなのか、その構想を策定し業務に適用するアイデアを出せるよう進める予定。

情報収集→知識レベル平準化→ビジネス活用の流れを想定しており、成果物としては以下を想定している。

1) IoTとAIの最新動向・事例・未来の姿
2) IoTとAIの技術体系
3) ビジネスへの活用方法
4) IoTやAIにおけるデータマネジメント
 

会長特命プロジェクト

日本テラデータの金井啓一氏より、「データマネジメントコンテンツ開発プロジェクト」(仮称)について説明があった。

◎背景:
栗島会長からの挨拶でもあった通り、JDMCではコンテンツの発信力向上が課題となっている。各研究会活動などを通した成果物はあるが、それがJDMCで体系化された内容とはなっておらず、故にJDMCが何をしているのかということが伝わりにくいという課題がある。本プロジェクトでは、有用なコンテンツを開発・整理して発信していく。

◎期待効果:
1) 会員企業のビジネスへの貢献
2) 新規会員の獲得および既存会員の退会防止
3) JDMCの認知拡大と社会貢献

◎活動内容:
はじめに全体像を定義したうえで、既に作成している成果物との関連付けや、新規作成領域を明確化して進める。本プロジェクトは、ベンダー企業の各理事をリーダーとするが、ユーザー企業の各理事も参加してJDMC全体として活動していく。

成果物の確認や作成については、ベンダー・ユーザー両方の視点を入れることにより、精度を上げていくものとする。特に各研究会のリーダーへは協力をお願いしたい。
 

全体質疑応答

各研究会による発表は以上で終了となり、特命プロジェクトについて以下の質疑応答があった。

質問:成果物の作成について、各研究会の成果物と連携をとるのは非常に大事だが、進め方が難しい面もあると思う。作成成果物の整合性をどう合わせるのか?

回答:全体体系については、ある程度人数を絞ったうえで作成し、各理事と各研究会のリーダーに内容を諮りブラッシュアップしていきたいと考えている。その体系に基づいてコンテンツを開発するが、新規作成だけでなく、各研究会の成果物も追加・更新をお願いすることが必要になると思う。その辺りはプライオリティをつけて協力いただければありがたい。進め方はいろいろあると考えており、一気に作り上げるのではなく段階的に作成していく。はじめは、例えば事例集ならリンク集だけでも良いのではないかと考えている。

 

 

 

※懇親会の様子
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