JDMC研究会報告 (2013年4月25日)

2015-02-15

2013年4月25日、第16回JDMC定例セミナーが日本記者クラブで開かれた。講演に先駆けてJDMC研究会報告が行われた。テーマ4「顧客獲得、顧客サービス強化のためのデータ活用研究」(2013年度より、テーマ6「顧客行動分析による新たなマーケティングアプローチとは」)リーダーの山内康志氏は、顧客獲得のカギとなるデータ利用の留意点を、テーマ5「最新技術の研究と実現アプローチ法の構築」(2013年度よりテーマ2「最新技術の研究と適用事例の考察」)研究会メンバーの國正興一氏は、インメモリーデータベース製品の動向を取り上げた。

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◆JDMC研究会報告&質疑

 
テーマ4「顧客獲得、顧客サービス強化のためのデータ活用研究」
<リーダー>
山内康志
楽天株式会社
パーソナライズプラットフォーム開発G
スーパーDBプラットフォーム開発チームリーダー

 

新規の顧客獲得だけでなく、既存顧客の離反を防ぎ、そこから多くの優良顧客を育てることがB to Cビジネス成長の鍵となる。同研究会では、このB to CビジネスにおけるPOSデータやWebデータの活用について、企業各社の実際の取り組み事例や特徴を調査してきた。
「研究メンバーが所属する企業の事例を主体に、顧客データをどのように“おもてなし”に活用しているのか、活発に情報交換を行った。具体例に基づいて、顧客とのタッチポイント、および、データ活用の全体像を定義していった」と山内氏は活動を振り返る。
研究の一環で、企業における情報利活用を推進するファクターも分析した。楽天の事例などを整理したところ、社員がデータを取り扱う環境整備のみならず、リテラシーの高さ、ツール環境、企業風土が大きな要因にあることが、浮き彫りになった。
同研究会は、2013年度も、ケース研究という位置づけで活動を継続する。「調査内容の精度を高めながら、顧客データ活用について、定点観測を続けていく」(山内氏)。
顧客の獲得、真の顧客サービスの向上には、“データの活用や、その元となるデータを運用するノウハウ”を常に社内でスパイラルアップする必要がある。その活動は、組織内での教育、必要な技術の選定・調達、ソースデータの収集・品質維持、プロジェクトの効果測定などの多様な側面から成り立つ。それぞれの側面において、データを活用する組織を巻き込む仕掛けや、スキル・ノウハウ向上のあり方を、2013年度以降、さらに深掘りしていく方針だ。「メンバー各自が持ち寄った課題に対して多様な意見やアドヴァイスを得られる相談の場としても、本研究会を活用してほしい」と山内氏は参加を呼びかけた。

 

テーマ5「最新技術の研究と実現アプローチ法の構築」

 
<研究会メンバー>
國正興一
有限会社ベルウェザー
取締役社長
 
テーマ5「最新技術の研究と実現アプローチ法の構築」では、データに関わる最新技術の動向、企業における採用状況、適用効果を研究している。対象技術には、インメモリーデータベース(In-memory DB)、D/Wアプライアンス、BI、データ仮想化技術、NoSQL/データグリッド、ソフトウェア・デファインド・ストレージなどが含まれる。本報告では、高いデータ処理性能を発揮する2つのIn-memory DB製品「SAP HANA」と「NEC InfoFrame Data Booster」を取り上げた。メモリーストレージ処理方式は、回転する磁気ディスクを利用した既存のストレージ処理方式と比較して、データの読み書きに要する時間が圧倒的に短い。さらに、2製品はいずれもカラム(項目)辞書方式を用いることで、SortやJoinといったデータの制御・操作においては従来のRDB方式と比べて、同一メモリー容量に対する性能比で、200倍以上の開きが生じるという。近年は、1TBのメモリーを搭載したサーバーが1千万円規模の価格で販売されている。仮にPOSデータの取引明細一件分の容量を50B(バイト)とし、それを約1/3に圧縮すると想定すると600億明細が、1TBのメモリー上で処理できる計算である。
「両製品はまだ進化の途上にあるとはいえ、CPUのマルチコア化、大容量キャシュメモリー、高速バスなどの各種機能を強化した、In-memory DB向けの安価な高性能サーバーが次第に登場しつつある。中期的に見れば、情報処理システムのデータ処理に関して、大きなパラダイムシフトを起こす技術だろう」と國正氏は述べた。同研究会は、今年度は2013年度より、テーマ2「最新技術の研究と適用事例の考察」という名称になり、勉強会形式で研究が継続される。
 
 
(文責・柏崎吉一/エクリュ)
 



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