JDMCエンジニアの会、2021年度「データ分析コンテスト」入賞者発表 

去る2021年2月24日、JDMCエンジニアの会主宰「データ分析コンテスト」の成果発表会をオンライン実施しました。今年は小売部門に6チーム、計9チームが参加。JDMC会員企業からご提供いただいた実データを元に、参加者自ら考えた様々な視点でデータを分析し、新たなビジネスの法則や相関の発見などに挑戦しました。各賞は参加者による投票と、審査員の講評およびデータ提供会社・エンジニアの会リーダーによる協議で決定しました。実施概要および結果は以下の通り。入賞者にはお祝品を、参加メンバーにはエンジニアの会Tシャツまたは粗品をお贈りします。

 

受賞者

大賞/トライアルカンパニー賞: 水信 元 (寿樹計算)
まずは分析対象を1店舗に絞ったことが「わかりやすさ」を印象付けました。購買回数をもとにした因子抽出と分析により、背後に隠れた共通因子を導き出し、顧客を分類してく手法と、コロナ禍での非会員の離反顧客の傾向を分析した手法が、今後の施策につながる斬新な視点であると、大きく評価された結果となりました。

実施概要
データ提供会社 トライアルカンパニー
内 容 ID-POS(2019年1月〜2020年7月31日までの10店舗分)約2億レコード
テーマ 1)コロナ影響に関する分析・考察
2)自由テーマ
※分析ツールは自由
分析期間 2020年12月末~2021年2月23日
成果発表 2021年2月24日(水)17:00-19:00

 

総評

【JDMCエンジニアの会を代表して】
昨年好評を博したデータ分析コンテンストの2年目です。今年の分析データは、昨年と同様、JDMC会員のトライアルカンパニー様よりご提供頂いたID-POSを利用した小売データ、2019年1月〜2020年7月31日までの10店舗分。コロナの影響を受けた地域とそうでない地域に分類して提供いただいたことから、コロナ禍における小売業への影響から新たな発見が見いだせるのか、期待が高まる内容となりました。各参加者向けには2020年6月10日の参加者説明会を皮切りに、月に1回のペースでオンラインミーティングによる状況報告、課題共有を行いながら分析を進めました。コンテストの発表内容ですが、上述の課題感がある中で、エンジニアの会らしい様々視点でのデータ分析、市場背景を丁寧に押さえたクラスタ分析、特定の商品にテーマを設定したマーケットバスケット分析、商品の売上げランキングに着目した分析など、様々な工夫をされていました。中でも、購買回数をもとにした因子抽出と分析により、背後に隠れた共通因子を導き出し、顧客を分類してく手法と、コロナ禍での非会員の離反顧客の傾向を分析した手法が、今後の施策につながる斬新な視点であると、大きく評価された結果となりました。データの内容やビジネスに直結する課題感など、オンラインだけでは気付きにく部分があることは想像に難くなく、仮説や分析の軸をどこに設定するか、頭を悩ませながら分析を進められたことと思います。このあたり、審査頂いた皆様からのご指摘にもありましたが、運用側の課題として次年度以降に改善していければと思います。データ分析には論理的思考、分析手法、分析ツールに関する知識や、ビジネス思考など様々に求められますが、まずはデータとじっくり向き合うことへの意欲や探求心が基本と考えます。入賞はできませんでしたが、そうした基本を披露してくれた参加者みなさまを賞したいと思います。コンテスト自体、コロナ禍にあって全てをオンラインで進めることで、昨年とは異なる難しさの中、参加頂いた皆様、データを提供頂いたトライアルカンパニー様へ感謝申し上げます。 (リーダー 寺内 潤)

 

【招待審査員を代表して】
エンジニアの会らしく、機械学習、クラスター分析、因子分析など多種多様な分析が披露されました。また、国勢調査などオープンデータと組み合わせた解析もあり大いに盛り上がりました。結果を見ると、コロナ禍のまとめ買い需要、牛肉やバナナ、洋菓子等の巣ごもり需要など興味深いインサイトが得られました。現業務がある中で参加者の皆様の努力に敬意を表したいと思います。一方で、解析の先にはビジネス提案(打ち手)が期待されます。スーパーに詳しい専門家や解析者とチームを組んだり、トライアルカンパニー社のマーケティング施策の情報を事前に共有する等の提案が審査員や主宰者側からでました。こうした改善を行うことで、本企画が更に発展的でユニークな取り組みとなりそうです。個人的には、今までのトラディショナルなバスケット分析だけでなく、コロナ禍に特化した解析があっても良かったと思いました。例えば、緊急事態宣言が発出された時の行動変化、閉店時間の短縮による影響等は予測可能な変化なので施策に繋がりやすいと思います。最後に、JDMCエンジニアの会のリーダー・事務局各位、データを提供したくださったトライアルカンパニー社、審査員、本プロジェクトに関わった方全てに感謝を申し上げたいです。来年以降もこうした取り組みが続くことを強く願うとともに、私も1エンジニアとして参加したいと思いました。(植松幸生)

 

審査メンバー(敬称略)
<データ提供>
西川晋二  トライアルカンパニー RetailAI 顧問 
金光博明 トライアルカンパニー 東京秘書室 副室長
<JDMC理事>
小守雅年 日本オラクル  執行役員コンサルティングサービス事業統括
松田一泰 (富士通 青柳 一郎     富士通株式会社 DXプラットフォーム事業本部本部長 代理参加)
<特別審査員>
植松幸生 NOKIAソリューションズ&ネットワークス AVA expert leader
<JDMC研究会>
星 祐輝 三越伊勢丹 MD統括部マーケティンググループCRM企画推進部CRM企画
武藤奈緒子 みずほ銀行 個人マーケティング推進部 CXデザインチーム 調査役
<JDMC事務局>
谷本一樹 日立製作所 経営企画本部 技術管理センタ 主任技師
遠藤秀則 NTTデータ 技術革新統括本部 企画部 企画戦略担当
<エンジニアの会リーダー>
山田文彦 東京海上日動システムズ システム開発本部 アプリケーション開発部長
寺内 潤 Q’sfix デジタルビジネスイノベーションセンター エキスパート
峯岸 勇 Yellowfin Japan Director of Partner Alliance

 

参加者評
  • 全体通してデータ分析の結果で終わるケースが多かったので、ビジネス視点を盛り込んでいくのが今後必要と感じました。ビジネス側の人間とチームを組んでやるとより良いコンサルになると思います。また、お題が必要なのは同感です。分析手法については大変勉強になりました。ありがとうございます。1年間お疲れ様でした。
  • 皆さん忙しいなか、時間を工夫され素晴らしい内容だったと思います。色々気づかされる点や、勉強になることがありました。同じデータでも、皆さんそれぞれの観点で、様々な有益な情報に加工していただき、一つとして同じ内容にならないことは、本当に価値あるデータの大切さを改めて気づかされる機会となりました。発表ありがとうございました。
  • 固定概念とは違う視点からはいられてる分析もあり非常に参考になりました。お題を絞る方法もありますが、自由な発想も面白いと思います。分析内容詳細の発表・意見交換会を別途設けたほうがよいと思います。実地してたらすみません。
  • 普段のお仕事が忙しいなかでの取り組み、大変お疲れ様でした。想定される課題(群)と、現場で可能な手法(群)(プロモーション手法、品揃え改善、効率化手法(例)等々)のヒントをお出しできていたらよかったかと思いました。
  • 運営の皆様ありがとうございました。
  • 分析課題があると方向性を掴みやすいです!
  • 皆さんそれぞれ違った視点で分析を行っていたため、分析の視野が広がりました。
  • 様々な切り口での分析結果を拝見でき、非常に参考になりました。
  • 分析の前に事業課題の仮説定義があればよりビジネスライクな発表になりそうだと感じました。
  • 実業務のある中、皆様、お疲れさまでした。
  • 今年も役立つ結果を出す難しさを感じました。他の方の発表を拝見して方針立てなど勉強になりました。参加させて頂きありがとうございました。
  • 具体的なビジネスにつながる施策や目標値(KPI)をお聞きできなかったのは残念でした。私が参加した学生参加型のイベントでは分析フェイズの前に最終成果物の方針を明確にしてもらっていたので、今回のイベントでもそのようなゴールを定めていただくとよかったと思います。
  • 私としてはビジネスシーンにおいてデータ分析者が何を考えて分析方針を立てるのかお聞きできたことは大変勉強になりました。ありがとうございました。