【報道発表資料】 JDMC、2021年データマネジメント賞が決定

報道発表資料

2021 年 2 月 25日

 

一般社団法人日本データマネジメント・コンソーシアム(JDMC)

 

JDMC、2021年データマネジメント賞を決定

~大賞/特別賞/データ統合賞/先端技術活用賞/アナリティクス賞など各賞を発表~

 

一般社団法人 日本データマネジメント・コンソーシアム(略称:JDMC、東京都江東区豊洲、会長:栗島聡)は、2021年データマネジメント賞の受賞企業を決定いたしました。データマネジメント賞とは、データマネジメントにおいて、他の模範となる活動を実践している企業・機関などの中から優秀なものに対して授与している表彰制度であり、今年で8回目を迎えます。

今回は、データマネジメント大賞を受賞した東京海上ホールディングス株式会社を含め、7社が各賞を受賞しました。各賞の選定にあたっては、JDMC 運営委員会内に審査委員会を組織し、評価の上、決定しております。 デジタル化を進めるには、データ活用が根幹であり、それを実現するためには、データマネジメントに真摯に取り組むことが必要になります。この賞を通じ、様々なデータや情報のマネジメントに関する社会的認知を高め、企業・機関などでデータマネジメントを実践する人や組織の活性化を促進し、日本企業・組織の競争力強化へ寄与するものと JDMC では考えております。

下記の通り、JDMC が2021年3月4日に主催する「データマネジメント 2021」にて表彰式を行い、賞の授与を実施する予定です。

 

 

<表彰式の開催>

日時:2021年 3 月4 日(木) 9:35‐9:50
会場: ライブ中継
※JDMC 主催のカンファレンス「データマネジメント 2021」のタイムテーブルにて実施

 

受賞企業

賞名 受賞企業名
大賞 東京海上ホールディングス株式会社
特別賞 株式会社jig.jp
データ統合賞 第一生命保険株式会社
先端技術活用賞 中日本高速道路株式会社
アナリティクス賞 株式会社ユーフォリア
アナリティクス賞 株式会社wash-plus
アナリティクス賞 東日本電信電話株式会社

 

 

賞の説明

賞名 説明
大賞 データマネジメント活動において、特筆すべき取り組み・成果を出した企業・機関などで、この取り組みが現状および将来にわたり他の模範となると認定された場合に授与します。
特別賞 既存の賞の枠組みにとらわれない、卓越したデータマネジメントの取り組みに対し授与します。
データ統合賞 これまで困難とされてきた「マスターデータの統合」に果敢にチャレンジし、成果を上げた取り組みに対し授与します。
先端技術活用賞 先進的な理論や技術に対していち早く試み、ノウハウや成果を公開するなど、他の模範となる取り組みに対し授与します。
アナリティクス賞 データ量が劇的に増加する中、企業情報システム、ウェブアプリケーション、センサーなどが生み出す膨大なデータを分析し、さらにサードパーティーデータ等も併せて活用しながら、実際のビジネスの現場で活用することにより、多大な成果を上げた取り組みに対し授与します。

 

受賞理由

 

データマネジメント大賞  東京海上ホールディングス株式会社

 

■経営戦略と同期したデータアーキテクチャの整備と先導的なデータ人材の育成

「人、モノ、金と並ぶ第4の経営資源がデータである」、「データは20世紀の石油に相当する(ほど貴重である)」。こうした認識は広がっているが、しかし何をどうすればいいか、検討すべきことが多すぎてどうすればデータから価値を引き出せるか見えない企業は少なくないはずである。そうした企業にとって指標になるのが東京海上ホールディングスの取り組みである。
 具体的には、①全社のシステムやデータを洗い直し、外部データの利活用を視野に入れたデータアーキテクチャの策定とそれに基づくデータ基盤、および②「Data Science Hill Climb」と呼ぶデータサイエンティストの育成プログラム、である。 ①では社内やグループ企業にあるデータを収集し、分析するためのデータ統合/活用基盤を構築し、発展・拡張させ続けている。②では東京海上グループを対象としたデータサイエンティスト育成のみならず、社外からの受講も受け入れることで、日本全体のデータサイエンス人材の育成に貢献している。また同社では、データサイエンティストだけでなく、データスチュワードも定義し、人材面でデータを整備・活用する体制を整備しつつある。さらにこれらの施策と並行して、ビジネス部門とIT部門が一体となったデータ統制と活用推進を行うための業務プロセスも整備している。
 このような、情報システム、人材/組織、プロセスの3つを3身一体として高度化する取り組みは、他の多くの企業の範となるものであり、データマネジメント大賞を授与する。

 

 

 特別賞  株式会社jig.jp

 

■オープンデータの活用による新型コロナウィルス感染状況の可視化貢献

昨年より猛威をふるっている新型コロナウィルスの国内の感染状況に関しては、厚労省が昨年2月から発生件数や患者数の一覧表をPDFやHTMLで公開している。しかし入院者数・重傷者数・死者などの数値が異なるページ(ファイル)にあり、一覧性や再利用性に欠ける問題がある。本来、政府・各都道府県などが連携し、事実を遅滞なく伝える事が求められるが、残念なことにそうなっていない。この問題に対し福井県鯖江市に本社を置くjig.jpは、省庁や自治体が公表するオープンデータを取得し、国内の感染状況を一目で把握したりドリルダウンできるシステムを構築。2020年3月に「新型コロナウィルス対策ダッシュボード」として一般公開した(https://www.stopcovid19.jp/)。利用者は都道府県毎の感染者数や対応する病床数、また予測患者数から算出した病床の過不足状況など、マクロな視点で俯瞰的に”感染状況の現在”を知ることができる仕組みである。同社の取り組みは必ずしも複雑で高度な仕組みではないが、多くの人が知りたいことを伝え、オープンデータの活用のあるべき姿を提示している点、そして何よりもデータの価値や有用性を生かしている点で高く評価されるべきである。よって特別賞を授与する。

 

データ統合賞 第一生命保険株式会社

 

■社内外のデータを活用し事業戦略を支えるデータマネジメント基盤の実現

「言うは易く、行うは難し」の典型例の1つが、データドリブン経営である。特にこれまで様々なシステムを構築し、業務データを膨大に蓄積してきた日本の大手企業にとって難度は高い。生命保険大手の第一生命も同様で、例えば各部門が新たな付加価値創造にデータを活用しようとすると自部門が既存業務に活用するデータ以外は、別途IT部門などへの依頼が必要であり、時間と手間を要していた。しかしInsurTechの波が広がる中で、タイムリーかつ適確な顧客提案、新商品開発や事業創出、あるいは社内業務の効率化・高度化などの取組みが待ったなしの状況だった。
 そこで2019年4月、グループの横断的なデータ戦略やデータ分析を担うデータマネジメント室を設置。同室が中心となって、通常は2~3年要する全社データ活用基盤「DMAP」(Data Management and Analytics Platform)を約1年で稼働させた。DMAPは個人情報保護などガバナンスを効かせつつ、基幹システムの顧客/契約情報、社外のデータを統合し、分析を可能にする。中核である生命保険事業の効率化・高度化はもちろん、健康・医療・介護など顧客のQoL向上を目指した新たな付加価値創造にDMAPを活用していく計画である。同社の取り組みは、データ活用基盤に取り組む企業の範となり得るものであり、データ統合賞を授与する。

 

先端技術活用賞 中日本高速道路株式会社

 

■トイレ施設の3次元デジタルモデル化で高速道路業務オペレーションを変革

高速道路のSA(サービスエリア)やPA(パーキングエリア)の利用者にとって、トイレの快適性は重要項目の1つである。そのため東名高速道路や中央自動車道を管轄するNEXCO中日本では「トイレをお客さまのオアシス」として位置付けており、利用者から寄せられる意見や要望を常に把握するとともに、社員による現地確認とその写真撮影などを通じて、現地状況に応じた改善を図ることで快適性向上に努めていた。しかし、SAやPAは各地に点在しているため、状況把握の迅速化や同類箇所の把握に時間を要するなど効率化が大きな課題だった。
 同社は現在、高速道路モビリティの進化に貢献するプロジェクトを推進しており、その一環として、「トイレ内部の3次元デジタルモデル化」の試行を決定。約1年をかけて東名高速道路などのSA、PAにあるトイレ54棟について、「NavVis」という専用のツールを利用し、360度パノラマ画像と3次元点群データを取得し、3Dデジタルモデルを構築した。いわゆるデジタルツインである。これにより、現場に行かなくとも、利用者から寄せられる意見に対し、衛生器具の取付けなどのトイレ内部の細部に渡り、図面を使わずに視覚的に確認することが可能になった。実際のプロジェクトとしては2018年に海老名SAのトイレを対象にモデル化を開始。Webブラウザーによる閲覧、編集、操作機能を検証した上で、2019年7月から東名高速道路などのSA、PA全てのトイレに拡大した。同社の取り組みは、お客さま対応に始まり、設備保全や補修といった業務オペレーションを変革し効率化を可能とするなど、新しい付加価値をもたらす先例である。多くの現場業務の参考となり得るものであり、先端技術活用賞を授与する。

 

アナリティクス賞 株式会社ユーフォリア

 

■ケガの予防とトレーニング効果を両立するアナリティクスの実践

スポーツ分野におけるデータアナリティクスの導入が進んでいる。プロ野球やサッカーなどで戦術検討や選手育成に利用が広がるセイバーメトリクスはその好例である。一方、選手の調子や体の状態を表すコンディショニングデータやトレーニング、栄養補給に関するデータを収集・分析し、そこからケガや故障の兆候を見出して未然に防ぐ取り組みも始まっているが、個別のチームやクラブでの取り組みには、収集するデータの量や質の面で限界も指摘されてきた。
 この問題に対してユーフォリアは、2012年より開発を開始したラグビー日本代表向けのコンディション管理システムをベースとして、医療や栄養、トレーニングなど専門家の知見を取り入れて強化。具体的には、収集するデータ項目や要件を大幅に拡充し、外傷・障害発生や再発の事実をデータベース化することで、ケガを未然に予防しながら適切な練習やトレーニングを行う為のデータ分析を可能にした。データの収集には選手が毎日入力する情報のほかに、各種ウェアラブルデバイス等を使用する。システムの利用者は現在プロスポーツからアマチュアの約71競技1700チーム強(日本代表は26競技)に拡大し、競技力向上とケガ予防のサポートを提供している。また2020年には、感染症予防のためのデータ項目や感染兆候の判断基準を追加し、2020年の全国高校サッカー選手権大会やトレイルランニング大会における感染対策に採用されている。同社の取り組みはスポーツにおけるデータ分析の有効性を示すものであり、アナリティクス賞を授与する。

 

アナリティクス賞 株式会社wash-plus

 

■気象データを含めたビッグデータ分析によるコインランドリー事業の変革

コンビニなど店舗併設型、布団や靴を丸洗いできる洗濯機の登場などにより、右肩上がりの成長を続けるコインランドリー業界。しかし歴史が古く、一度、設置すれば無人でもオペレーションできるため、大きな変革は起きてこなかった。それを変えようとしているのが2013年に創業したウォッシュプラスである。洗剤を使用せずアルカリイオン水で汚れを落とすのが同社の特徴の1つだが、それ以外に、①洗濯機や乾燥機をIoT化して、スマホさえあれば事前予約や洗濯終了連絡ができる、②キャッシュレス決済に対応し、物理的な貨幣なしでオペレーション可能、③利用頻度によるステータス機能を導入して固定顧客を増やせるようにした、といった、ITやデータ活用も特徴である。こうしたIT化により、時間帯/日毎のランドリーの利用状況をビッグデータとして収集し、天気や気温などの気象条件と付き合わせて分析。雨の日や深夜などの利用が少ない時間を可視化し、割引キャンペーンなどで、利用の平準化につなげている。また、今後は料金を変えるダイナミックプライシングの導入も検討しているという。こうしたことの結果、自社で開発したスマートランドリーは、コインランドリーシステムのプラットフォームとして直営店以外にも現在135店舗で採用され、海外展開などさらに拡大を目指すまでになっている。現在多くの業界・企業が取り組み始めているデジタル変革だが、古くからあるコインランドリーに着眼し、それをデータ分析によって作り変えようとしている点でウォッシュプラスの取り組みは他の模範となり得るものである。この点を評価し、アナリティクス賞を授与する。

 

アナリティクス賞 東日本電信電話株式会社

 

■150万社の顧客ニーズをAIで可視化、受注拡大や満足度向上を追求

NTT東日本の顧客企業は、大企業だけではなく中堅・中小企業など多岐にわたり、取引があるのは約150万社に及ぶ。当然、営業担当者頼りのリレーションでは十分とは言えない面があり、2017年からCRM(カスタマリレーションシップマネジメント)の抜本的な刷新や、DMP(データマネジメントプラットフォーム)の整備を実施してきた。
 ただしこれらの取り組みは、言わば事前準備に過ぎない。分析環境(BI)の本格稼働による顧客の見える化や、BIでは見えない情報を浮かび上がらせるAIによる推論モデル構築などが本筋である。事実、NTT東日本はCRMやDMPで収集・蓄積した膨大なサービス契約情報等のデータや外部データ(企業情報)から、企業の潜在的なニーズをAIでスコアリングし可視化を実現。その際、特徴量分析から営業の現場が理解できる情報を付与して、案件の受注や顧客満足の向上といった成果に結びつけている。この取り組みに対し、アナリティクス賞を授与する。

 

以上

◇本リリースに関するお問い合わせ先

一般社団法人日本データマジメント・コンソーシアム
データマネジメント賞 事務局 E-Mail:info@japan-dmc.org
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