マーケティングシステム研究会・研究会リーダーの石田です。今回は7月25日にセールスフォース・ドットコム社で開催しましたMA編第二回についてレポートします。
第一回のマーケティングシステム研究会~MA編~は、「MAの基礎概念と市場環境の理解」がメインテーマでした。また、後半のディスカッションでは自己紹介的な部分も兼ねて参加メンバーの「MAの経験値」について意見交換をおこないました。
第二回のテーマは「製品紹介」です。具体的な製品をより深く知ることによって、MAの機能やトレンドという知識部分、そして導入から運用までの課題解決についての糸口を探すことができればと考えました。事前のアンケートでも要望の多かったセールスフォース・ドットコム社のBtoBのMAツール「Pardot」とBtoCのMAツール「Marketing Cloud」についてご紹介いただきました。
共有いただいた知識の中で、非常に共感が強かったのが「顧客の購買行動の変化」についてです。従来のBtoBの購買行動だと、ある程度製品やサービスの選択肢を絞った上で「ここからは営業さんを呼んで検討しよう」となっていたのですが、現在ではデジタルでの情報収集がメインになっているというのです。つまりインターネットです。
2014年のデータとして、顧客が問い合わせをしてきた時点で製品やサービスの導入を決定しているケースが全体の60%を占めているといわれています。セールスフォース・ドットコム社に限らない、BtoBマーケット全体の指標です。そしてこの状態が2020年には80%を超えるのではないかと試算されています。顧客からすると「あなたのサービスはWEBで充分比較しましたので、決めました」というわけです。
顧客の傾向としてデジタルだけで情報収集を完結させるトレンドが進んでいます。従来の営業が果たしていた成果へのコントロール範囲がだんだんと狭くなっているわけです。逆にコントロール範囲が広くなっているのがWEBサイトということになります。いかにここをカバーし、顧客毎に最適な提案ができるよう改善をしていけるか。セールスフォース・ドットコム社の「Pardot」に限らず、MAの市場が拡大していることの所以です。
研究会の中では製品のデモ画面をわかりやすく見せてもらうこともできました。やはり初期のMAと比較するとスピーディーに直感的にわかりやすくジャーニーマップを作ることができそうだ、という印象がありました。と同時に、実際の事業会社の担当者がMAのシステムを自社の力にするためには、有効性を社内にいかに共有するか、そして運用体制をどのようにつくっていくか、まさにマーケティングシステム研究会が目的としている部分も重要であると感じました。
次回、第三回のマーケティングシステム研究会は今回の製品紹介で得た知見を元にディスカッションをおこなっていきます。また企業のケース・ポジションにおけるMA導入・運用の課題と解決方法を成果物としてまとめていく方向です。