【Vol.34】久國 淳氏「難度も高いがリターンも高い!――MDMの本質とその効能」

2016-04-12


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JDMC会員による「リレーコラム」。
メンバーの皆さんそれぞれの経験・知見・想いをリレー形式でつなげていきます。
今回、バトンを受け取ったのは、インフォマティカ・ジャパンの久國淳さんです。
 

難度も高いがリターンも高い!――MDMの本質とその効能

 
 皆様、こんにちは。リレーコラムのバトンをいただきましたインフォマティカ・ジャパンの久國(ひさくに)と申します。今回は、先日の「データマネジメント2016」でも講演させていただき、大きな反響をいただいた「MDMの本質とその効能」についてお話しさせていただきます。
 
 インフォマティカは創業以来、一貫してデータ統合と管理に特化したプラットフォーム製品を開発・販売・導入しております。ここ数年はMDMに関する検討・導入の数が飛躍的に増えています。業界も製造・流通/サービス・金融など幅広く、対象マスターも商品(製品)、顧客、仕入先、組織、従業員など複数ドメインにわたります。
 
 では、各社はどのような効果を期待してMDMを導入しているのでしょうか。その具体的な効能を見ていきましょう。
 
効能1:“方言”の翻訳
 “方言”、すなわち異なるコード体系を持つアプリケーション間のデータ連携において、コード変換(翻訳・標準語化)の自動化を進めてくれます。P2P連携で個別のコード変換機能を開発するのではなく、MDMハブ上の相互変換表(クロスリファレンス)に集約・一元管理します。この仕組みで開発・運用コストを削減できるようになります。
 
効能2:業務の効率化
 マスターデータメンテナンス機能の集約や、アプリケーション間のマスター同期による2重入力排除などがなされ、メンテナンス業務の効率化につながります。
 
 1と2は、MDMと聞いて多くの方が想起されるものではないでしょうか。両者ともコスト削減に繋がる効能です。ですが、これだけにとどまりません。MDMにはコスト削減だけではなく、サービスレベルの向上や収益向上ももたらす、さらなる効能があるのです。
 
効能3:信頼性の向上
 マスターデータを一元的に管理し、データの標準化や重複レコードを排除することにより、データ品質の維持向上が図られます。このことで、アプリケーション横断で一貫性のある品質の高い包括的なゴールデンマスター(Single Version of the Truth)が管理可能になり、データガバナンスを強化し、「どのデータが最新で正しいのかわからない」という状況を打破してくれます。
 
効能4:情報活用の高度化
 MDMで統合管理された各アプリケーションのオリジナルコード(クロスリファレンス)を利用し、必要に応じてトランザクションデータやインタラクションデータをひもづけた“360°ビュー”を供給可能に。現場の業務ユーザーに、より包括的でリッチなデータを供給できるようになります。
 
 4の情報活用の高度化が最も重要で、ビジネス価値の創出に直結する効能です。複数のアプリケーションやシステムごとにマスターデータが散在し、データがサイロ化している複雑なIT環境において、既存アプリケーションはそのままに、マスターデータをつなぎ合わせることで、必要なすべてのデータへのアクセスを可能にする――MDMの本質はここにあるのです。
 
 例えば、ERPから購買履歴を、CRMから商談状況を、コールセンターシステムから問合せ履歴を、ECサイトからWebログを、ソーシャルストリームから口コミをといったように、複数のチャネルを顧客マスター中心に紐づけて、1つのポータル画面に集約して業務ユーザーに提供できるとしたらどうでしょう。営業力、マーケティングの強化や顧客体験価値の向上を実現することが可能になってきます。
 
 上記のような複数事業・マルチチャネル横断での顧客情報の統合以外にも、グローバルサプライチェーン最適化や分析高度化のための製品情報の統合、M&Aに伴うアプリケーション統合など、MDMを導入する企業のテーマはさまざまです。しかしながら共通するのは、いずれもコスト削減だけではなく、業務部門に対して信頼できる包括的なデータを供給し、ビジネス価値を創出することをゴールに設定しています。
 
 データマネジメントという山脈の最高峰であるMDMは、プロジェクトの難度も高く、大きな投資も必要になりますが、それ以上のリターンを見込める強力な施策です。「マスターデータの統合」はあくまで手段であって目的ではありません。マスターデータの統合を検討される際には、MDMの本質・効能を踏まえ、「何のために統合し、どのようなビジネス効果を期待していくら投資するのか」というROIを整理してみてください。
 

hisakunisan久國 淳(ひさくに あつし)
インフォマティカ・ジャパン株式会社
セールスコンサルティング部 ソリューションアーキテクト エバンジェリスト

2004年 京都大学大学院 工学研究科 建築学専攻修士課程修了。2004年4月SAPジャパン株式会社入社、流通・サービス営業本部 アカウントエグゼクティブとして入社、主に総合商社、小売、サービス業のERP営業を担当。2011年よりビジネスアナリティクス営業本部 ソリューションスペシャリストとして、BI/EPM製品やSAP HANAのソリューション提案に従事。2013年4月1日より現職。



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