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レポート

第28回JDMC定例セミナー報告 ~「最先端ツールを通じて今のBIを知る」(2014/12/12)

JDMCの定例セミナーは通常、2つの講演があり、講演終了後に参加者を交えた講師との議論、およびQ&Aを行っています。 今回はいつもと趣を変えて、「最先端ツールを通じて今のBIを知る」と題し、BIツール・ベンダーの5社によるディスカッションを実施しました。

というのも今、最も製品の進化が激しい分野の1つがBIツールであり、製品を形容する言葉も「アジャイルBI」、「データディスカバリー」、「ビジュアリゼーション」など多彩。しかし一方で、ベンダーに個別に聞いているとどれも同じような機能を備え、言い換えるとどれも同じようにも思えてきます。そういう認識は正しいのでしょうか?そうでないとすれば違いは何でしょうか?そこでBIツールを使っているかどうかはともかくとして、BIツールにまつわる疑問への回答を聴講者が自身で見出すことができる場を提供する意図です。

多忙な中で、かつ急な依頼にも関わらずディスカッションに参加してくれたのはSAPジャパン(製品名はLumira、以下同)、TIBCO(Spotfire)、QlickTech(Qlik Sence)、Microsoft(Power BI)、そしてOracle(Endeca)の5社。モデレーションは、JMDCセミナー部会の濱田光保 委員(NEC システムソフトウェア事業部 マネージャー)が務めました。

まずディスカッション冒頭では、各社の製品の特徴を5分ずつプレゼンテーション。詳細は来場者オンリーということで割愛しますが、Lumira、Spotfire、Qlik Sence、Power BIがビジュアリゼーション重視。どれもマニュアルレス指向(直感的な操作が可能)で、データを把握するためのグラフを次々に表示させていくことができます。

誤解を恐れずに言えば、Lumira、Qlik Senceが一般向け、Spotfireが企業内の専門家向け、Power BIはExcelアドオンなのでExcel(Office2013や同365)向けという印象でした。なおQlik Senceは個人で使う場合は無償、PowerBIもOffice2013には付いてきます。一昔前のBIツールに比べると使い勝手だけではなく、費用面でもグッと身近になったことが分かります。

異色だったのはOracleのEndeca。数値データだけではなく、一般文書も対象にInformation Discoveryを行うツールです。「業務それぞれに合わせたキーワードで検索できます。例えば期別の売り上げ推移を見ると、1ヵ月前からある店舗の売上げが下がっていることが分かったとします。この時、知りたいのはなぜその店の売上げが下がったのか、という理由。それを数値データや一般文書も含めてキーワードで検索できます」(日本オラクル)。

ディスカッションのポイントは、
1)各社はどんな案件の時に(ユーザー企業から)呼ばれるのか
2)欧米に比べSpotfireは知名度が弱いが、なぜか
3)Qlik SenceとQlikViewは何が違うのか
4)PowerBIやEndecaのユーザー事例は
5)Lumiraと他のツールは競合するのか、しないのか
6)なぜQlik Senseは無償で提供できるのか、PowerBIはどうか
7)Endecaはいわゆる非構造データを扱えるのか
8)Oracleから見て、他社のビジュアリゼーション機能はどう写るか
など。それぞれに味のある回答、やりとりがありました。

ディスカッションの最後には、「BIツールの利用目的を明確化するのは誰の責務か」という話題が出ました。具体的には、ユーザ会員からのご質問で、『現場からは「BIツールの使い方がわからない」という言葉を聞きます。例えば 購買担当者は「どういったデータモデルを使い、どうデータを見せればよいか、アドバイスが欲しい」と言います。それに対してベンダーは、製品の特長を生かしたサービスを提供してもらえますか?』というものです。ビジュアリゼーションの機能が色々ありすぎるので、利用者は却って何をどうビジュアル化すればいいのか分かりにくいというわけです。これは筆者が最も重要と思ったポイントの1つです。

これに対し、各社はどう回答したか。最も多かったのは、最も多かったのは、「製品パートナー」によるソリューション、コンサルティングによる解決というものでした。利用目的の確認なしには、決まらないということだと思います。SpotfireはTIBCOによる直販なので(知名度が低い理由の1つがこれです)、TIBCOから直接、顧客にアドバイスするとのことですが、これを除くとパートナー経由が主体ですから、そうならざるを得ません。しかし、実際の業務に生かして価値を生むことは、販売側の責務か、利用側が自ら実施することか、はたまた間を取り持つ仲介者の役割か、そのあたりの関係を検討することが重要であることを再認識しました。

 

 

 

 

 

 

 

■モデレータコメント

5社のベンダの方にパネラーとしてご登壇頂き、大変有意義な話を聞かせて頂きました。 過去にパネリストとしての登壇経験はありましたが、モデレータは初体験と いうこともあり、手探りの状態でした。どう流れを作っていくのか、どう各社のアピール ポイントを紹介し、かつ参加者の聞きたいことを喋って頂くのかが悩ましいところでし。正直なところ、ユーザ企業各社からの質問に助けられました。活発な質問と回答のため、時間の都合上質問できなかった方、質問を絞っていただいた方、申し訳ありませんでした。今後も、参加者の知りたいことにアプローチできるセミナーが開催したいと考えています。ぜひ積極的なご参加をお願いします。ありがとうございました。

文責:JDMCセミナー部会(谷本一樹、濱田光保)

■参加者アンケート

・それぞれのBIツールが非常に端的に紹介され、わかりやすかったです。

・横並びで各社製品を見られる良い機会でした。

・データディスカバリというキーワードの元、各社が同じ方向性でアプローチをされているなと感じました。

・データソースが整備されていない場合、今回ご紹介のあったBIツール側で何か吸収できるETL,クレンジング等の機能があるか気になりました。

・5社も集めていただいたので、Q&Aの時間をもっと欲しかった。ちょっとニッチな質問もしたかった

・まとめてデータディスカバリ分野の製品をみれたことや、各ベンダの思いやポイントを聞けたことが良かった。

・もう少し各社の今後の方向性を聞きたかった。

・BIのユーザ企業からの質問が参考になりました。

・最新製品の話を中心に聞けましたが、SAPやMS、Oracle (Hyperion)などは過去のBI製品との住み分けて今後の展望も聞きたかったです。

・5社いらっしゃるので、自社からみた他社はどうなのかも知りたかった。

・3時間くらいのセミナーでも良かった。

・知らないツールもあり勉強になりました。最先端のツールを比較しながら把握することができた

・非常に面白いセミナーだと思った(BI各社が並んで話し合う点)

・各社の最新の製品に関する情報とBIツールに関しどう考えられているかがわかり、ともて有意義でした。

・各ベンダー様のツール(デモ)紹介と戦略含めたWillを聞くことができた。

・パネルディスカッションにした事で対比ができて良かった。理解度もあがりました。各社の差がわかり大変参考になりました。

・”BIをキーにして複数のベンダーを同席し情報共有・ディスカッションできたのは素晴らしいと思います。ただ、すべてのデモありを前提にした方が良かったのではと感じました。

・データ分析ニーズがエンドユーザーにシフトしていることが良く分かりました。各社BI関係のラインアップと今回紹介いただいた製品の位置づけをもう少し詳しく聞きたい

・BIといっても各社でターゲットとしている方向性が色々あることを改めて認識した。

・各社のツールの内容比較出来て良かった。長所だけでなく、弱い部分(話にくい部分)引き出せるとよかった。

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