【Vol.4】 森本好映氏 「BIを真に価値ある取り組みにしていくために」

2013-07-29


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メンバーの皆さんそれぞれの経験・知見・想いをリレー形式でつなげていきます。
今回、バトンを受け取ったは、KSKアナリティクスの森本好映さんです。
 
 

アジャイルBIによるデータ活用

 
 
 皆様はじめまして。今年5月よりJDMCに加入させていただいた、KSKアナリティクス代表の森本好映と申します。創業は2006年で、「『データ』を価値ある『情報』に」を合言葉に、オープンソース・ソフトウェアに特化したビジネスアナリティクス関連の製品サポートやコンサルティング、分析システム構築等に携わっています。独立系サービスプロバイダーの立場からJDMCに参加し、会員の皆様と意見交換させていただければと思います。
 
 
 近年、私たちが取り組んでいるテーマに「アジャイルBI」があります。これは名前が示すとおり、アジャイル開発手法をBIに適応した、BIの迅速かつ反復的な開発アプローチで、それを支援するBIツールを含みます。以下、簡単にご紹介させてください。
 
 
 アジャイルBIに取り組むことになったのは、従来のBIにおける課題や問題を何とかしたかったからです。例えば、表計算ソフトをBIツールとして使っている企業は多数に上りますが、セキュリティ面での脆弱性やデータの品質、一貫性、拡張性、メンテナンスコストなどの問題が指摘されています。にもかかわらず、依然として使われ続けているのは、別のよい解決策が提案されていないからです。
 
 
 表計算ソフトをBIツールとして使うことの問題に加えて、私はこれまでに「BIプロジェクトに失敗した」という話を何度も聞いてきました。それらの原因にはいくつかの共通のパターンがあるようです。
 
 
 まず、ROI(投資対効果)に対する考え方からくる問題があります。そもそも私はBIのメリットを数値化することは困難もしくは不可能だと思っています。なぜなら、BIにおいてROIのR=リターンはとても不明確なものであり、初期費用の高さから多くのBIプロジェクトが見送られることになります。
 
 
 また、運良く十分な予算が取れたとしても、開発フェーズで失敗あるいは窮地に陥るケースも見受けます。よくあるのが、一般的な業務システムのようにウォーターフォール型で開発を行い、最初にプロトタイプを作成しなかった(または1回作成するだけ)ために、要件定義ができず開発期間が長期化してしまうケースです。また、開発中に関係者からのフィードバックがまるでなく、開発中のBIシステムが本当にビジネス要件に合うかどうかを検証できていないというケースも間々あります。
 
 
 構築も完了し、いざ運用開始して起こりがちなのが、BIシステムの“放置”です。システムを作ることが目的化してしまい、活用のためのトレーニングや研修、データのクレンジングやレポートの整備などには、予算も労力も十分に割かれないというケースが非常に多いのです。結果として、エンドユーザーにとってはBIは「使いづらい」ものとなってしまい、使い慣れたExcelに戻ってしまったりします。
 
 
 そこで私たちが注目したのが、今や広く知られるようになったアジャイル開発手法です。アジャイルBIの“哲学”としては、「継続的な価値を提供する」「要件変更を歓迎する」「ビジネスユーザーと開発チーム間での交流を活発に行う」「できるだけ遅く決定し、速くデリバリーする」「反復作業で種々のギャップを埋める」「開発の待ち時間を大幅に減らせる」といったことが挙げられます。
 
 
 上記のような哲学に基づき、4、5名のアジャイルチームを組織(IT開発者、プロジェクトマネージャー、BIコンサルタント、エンドユーザー、データベース管理者などで結成)して、反復的にプロトタイプを作成しPDCAを回すことで“使えるBIシステム”にしていきます。もし、ご興味があれば気軽にお声がけください。
 
 
 今回、JDMCに入会させていただき、ユーザーやベンダー、SIerなどさまざまな方々とざっくばらんに情報交換させていただくことをとても楽しみにしております。私たちが紹介できる知識や事例もあれば、逆に教えていただくことも多々あるかと思います。ぜひ仲良くしていただければ幸いです。
 
 
 
morimotoyoshiteru (2)森本好映(もりもと・よしてる)

株式会社KSKアナリティクス 代表取締役。1973年奈良県生まれ。国内SI、コンサルティングファームを経て2006年8月、KSKアナリティクスを設立。企業の情報活用促進やデータ分析、戦略コンサルティング、ITコンサルティングを中心に活動。Pentaho認定BIコンサルタント、Rapid-I社認定データマイニングコンサルタント、中小企業診断士、Bradford University School of Management(MBA)などの資格を持つ。
 
 
 
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次回のコラムのバトンを受け取ったのは、伊藤光夫さん(アグラ)です。お楽しみに!
 
 



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