テーマ5「DM実践勉強会」データの利活用概説(1)第1次世界大戦航空戦

2018-11-07

JDMCテーマ5「DM実践勉強会」 コンテンツ公開にあたり

リーダ 清水 孝光

このたび、JDMCテーマ5DM実践勉強会(以下「テーマ5」と略記)の足かけ4年にわたって蓄積してきたコンテンツから一部抜粋・編集して公開させて頂くことに致しました。

 
テーマ5は、2015年度に筆者が立ちあげた勉強会です。JDMCには現在7つの研究会があり、テーマ5の特色は、毎月セミナー形式で、経営・業務視点のデータマネージメントの講義などを行っていることです。そのため、「研究会」では無くて、「勉強会」と称しています。
 
筆者は、現在IT・経営の独立コンサルで、もともとの専門はデータベースの設計・構築です。大手産業機械メーカのシステム部門でシステムの企画・設計・開発・運用は勿論、技術評価など色々な経験をしてきました。特に「データモデリング」などがなかなか根づかないことなど随分歯がゆい思いもしてきました。そしてJDMCが設立された時、日本の産業界の将来を担うべき大きな柱になるだろう、是非そうしていきたいと思い、立ちあげ当初から参加させて頂いています。
 
筆者がテーマ5を立ちあげた動機は、ITエンジニアの会員の方が多いJDMCの中で、経営・業務の基礎から学び、さらに経営変革・イノベーションに直結させるデータマネージメントのノウハウを習得する場を設けたいと思ったからです。
 
これまでの活動概要は、次の通りです。PPTのボリュームでは毎年約500スライドの資料を作っています。内容は多岐にわたるので主テーマだけのご紹介です。
 
・2015年度 経営・業務全般概説(経営戦略理論・マーケティング・カイゼン活動等)
・2016年度 組織のサイロ化、イノベーションのジレンマ
・2017年度 キャズム、リバースイノベーション
・2018年度 DMとイノベーション
・共通 データモデリング基礎・エニアグラム・体感ワークショップetc
 
コンテンツの公開は、「データの利活用」「データ経営」に関する経営戦略理論など基礎知識から公開していきます。「イノベーションのジレンマ」など組織的意思決定に関する内容についても順次公開していきたいと思っています。

以上

テーマ5「DM実践勉強会」データの利活用概説(1)第1次世界大戦航空戦

テーマ5の活動などを通して、JDMCの皆さんとお話ししていると、「データの利活用って何?」「データ経営って、いったいどうするの?」等々、本質的な疑問を口にされる方がいらっしゃいます。確かに、ITシステムの仕組みづくりと違って、経営・業務はIT技術者の皆さんにとっては、専門外で馴染みが薄いかも知れませんが、経営戦略理論などは難しい話ではなく「データ利活用」「データ経営」等の実践ノウハウの宝庫です。
 
そこで、最初に本稿では、100年程時代を遡って、第1次世界大戦からどんな「データの利活用」をして、当時の「データサイエンス」により戦略的な法則を産み出し、「データ経営」に活用することでどんな発展をしてきたのかを、大東亜戦争後の日本の経済復興と奇跡的な経済成長などを振り返りながら確認していきます。
 
 
■第1次世界大戦 航空戦のデータ利活用
 
今から約100年前、1914年7月28日に第1次世界大戦が勃発します。ヨーロッパが主戦場になり、7千万人以上の軍人が動員され、人類史上初の本格的な航空戦が実施されました。
 
当時、英国人の航空技術者フレデリック.W.ランチェスター(1868年~1946年)は、航空戦勝利のために「データ利活用」を考えます。
 
DAMA・DMBOKのデータライフサイクルでいえば、「計画・仕様確定」では、撃墜された自軍(イギリス)戦闘機の残骸を調査することにしました。「使用可能化」のために英軍との協力体制を整え、戦闘状況も詳細に調査できるようにし、必要なデータを「登録と入手」し「維持と利用」します。
具体的には、ランチェスターは、撃墜された戦闘機の残骸の弾着箇所・弾数・残弾数・武器(機関銃)の威力などを精査します。
 

 
 
そして、第1次世界大戦の真っ只中、1916年の著書「戦争と飛行機-第四の武器の曙」で公表したのが「ランチェスターの法則」という数学モデルでした。
 
ランチェスターは、戦闘を2種類に区分けします。戦闘機同士が敵をハッキリ見分けて戦う一騎打ち(接近戦、局地戦)と複数の敵味方が入り乱れて戦う確率戦(遠隔戦、広域戦)では、戦闘結果が全く違うことに気づいたのです。
 
①第1法則:一騎打ち、接近戦、局地戦

刀や槍で戦う接近戦では、戦闘力は武器性能と兵力数の単純なかけ算になります。
戦闘力=武器性能×兵力数

②第2法則:確率戦、遠隔戦、広域戦

機関銃同士で乱射しあうような遠隔戦では、戦闘力は兵力数の二乗できいてくるので、兵力数が多い方が圧倒的に有利になります。

戦闘力=武器性能×兵力数×兵力数

 
この法則から、「弱者の戦略」と「強者の戦略」が発見されました。
「弱者の戦略」とは、自軍・自社が弱い場合は、接近戦に持ち込んで各個撃破を目指す。経営戦略ではニッチ(隙間)をねらうことなどです。
「強者の戦略」とは、自軍・自社が強い場合(相手戦力の3倍以上)には、広域戦に持ち込んで圧勝する。経営戦略ではフルカバーした製品群で市場の全面制圧を図ることなどです。
 

 
約100年前に「データ利活用」により、地道なデータ調査をくり返し、統計処理などの手法を駆使して数学モデルを導出したのは、現代用語でいえば正しくこれぞ「データサイエンス」に他なりません。第2次世界大戦で米軍は、ランチェスターの法則を活用し、物量戦を駆使した「強者の戦略」で旧日本軍に圧勝することになります。

以上

 
 
※JDMCテーマ5 DM実践勉強会リーダ 清水孝光
清水技術士・診断士事務所代表
技術士(情報工学部門)、中小企業診断士、ITコーディネータ
健康経営アドバイザー
日本エニアグラム学会認定ファシリテーター
ヨガ・インストラクター(YogaWorks RYT200)
ピラティス・インストラクター(BASI MAT)



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