マーケティングシステム研究会・研究会リーダーの石田です。今回は8月29日にTIS株式会社で開催しましたMA編第三回についてレポートします。
全四回でスケジューリングをしている今期のマーケティングシステム研究会MA編。研究会も後半に入ります。第一回の研究会は「MAの基礎概念と市場環境の理解」がメインテーマ。第二回の研究会はセールスフォース・ドットコム社の製品紹介と質疑がメインになりました。第三回の研究会は研究会メンバーの事例紹介と成果物作成に向けたディスカッションを行いました。
最初に研究会メンバーによる事例発表をおこなったのはTIS株式会社の加藤さんです。加藤さんは本研究会のサブリーダーも務められています。自社内で活用しているMAが導入して2年間使い続けられている理由として「スピードと精度」を挙げられました。それまでエクセル等で管理・集計を行なっていたデータがMAを活用することによって迅速に引き出すことができるようになります。また、手入力・手集計を減らすことでデータとしての精度がより信頼できるものになっているようです。
続いて発表をおこなったのは株式会社アシストの仲谷さんです。仲谷さんはMAを複数活用された経験があります。研究会では複数のMAを活用した経験からこそわかった、各MAの特徴やマーケティング視点での違いについて話をしてくれました。内容の中で特に印象的だったのが「会社の文化に合わせてMAのシステムを選ぶ。会社の文化に合わせてMAを使い込んでいく」という部分。MAはあくまでマーケティングツールのひとつであり、そしてひとつのツールであるMAの中にも向き不向きがあるというのが印象的でした。この部分は研究会の成果物でもより掘り下げていきたいところです。
後半は成果物作成に向けたディスカッションです。今回のマーケティングシステム研究会は全四回ということで回数が多くはありません。ただその中で意見交換した内容やディスカッションした内容は20名を超える研究会メンバーが持つ大切な知見です。これまでのMA導入前・導入後の課題とその解決策(解決イメージ)を成果物として残すことはできないかと考えました。メンバーの互いの知見を共有し互いの課題解決のヒントにする。これが今回の成果物の狙いです。
サブリーダーのTIS加藤さんの作成したパワーポイントとエクセル(下図)を軸にして、第三回のメンバーを3つのグループに分けてディスカッションをおこないました。ディスカッションのテーマは「データ」「精度・密度」「コンテンツ」「PDCA(評価・活用)」「システム・組織」の5つのポイントです。各チームのメンバーが課題を出し合い、まとめ役が5つのポイントを軸にしてエクセルに振り分けていきます。ディスカッションの後に解決策・解決イメージが浮かんだら、同エクセルに書き加えていきます。
どのチームの課題としても挙げられていたのは「MAの効果測定」でした。MAを導入することでの費用対効果を会社にどう説明していくか。MAから吐き出されたデータが営業部門にわたってから、その後の行動が定量的に判断できなかったり、ブラックボックス化してしまったりすることから、費用対効果や収益性の分析ができづらい状態になっているようです。次回、第四回の研究会もメンバーの事例発表と成果物作成のためのディスカッションを中心におこなっていきます。