【Vol.48】ホートンワークスジャパン北瀬公彦さん、高付加価値サービスに必要なストリームデータのリアルタイム分析

2017-08-04


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JDMC会員による「リレーコラム」。
メンバーの皆さんそれぞれの経験・知見・想いをリレー形式でつなげていきます。
今回、バトンを受け取ったのは、ホートンワークスジャパンの北瀬公彦さんです。
 

高付加価値サービスに必要なストリームデータのリアルタイム分析

 
ビッグデータの分析タイミングという観点から見ると、バッチ分析、インタラクティブ分析とリアルタイム分析に分けることができると思います。バッチ分析は、大量のデータをスクリプトやプログラムで一括処理を行います。一方のインタラクティブ分析は、BIツールなどで対話的に分析を行います。特に、ストリームデータ(発生頻度の高いデータ)をリアルタイムに分析することができます。
 
バッチ分析やインタラクティブ分析を行っている企業は珍しくないと思いますが、リアルタイム分析についてはいかがでしょうか? 最近の技術革新により、ビッグデータのリアルタイム分析が可能になったことで、ビジネスで利用する例が多く出てきたように思います。そこで今回は、ストリームデータのリアルタイム分析のユースケースについて紹介したいと思います。
 
この分野の先駆けとして、コマツの機械稼働管理システム「KOMTRAX」がよく知られています。KOMTRAXでは、建設機械に搭載されたデバイスがデータをデータセンターに送り、そこに分析をかけることでリモート車両監視を実現しています。同様に三菱ふそうでは、「TRUCKCONNECT」というサービスを2016年5月より開始し、稼働中のトラックのリアルタイムな情報を、顧客のPC端末でチェックできるサービスを提供しています。これにより、位置・軌跡状況把握や、安全運転情報、燃費把握、車両管理、遠隔診断が簡単にダッシュボードから可能になり、トラックの稼働率の向上を支援しています。
 
さらに、2017年7月には、ソフトバンクが米国の運転支援デバイスメーカーのNautoに180億円の出資を行うことが発表されました。Nautoは、フロントガラスの前に取り付けたデバイスから、映像データを集めクラウドで分析することで、ドライバーに運転アドバイスを行います。このようなサービスが実現できるのも、ビッグデータのリアルタイム分析が可能になってきた理由と言えるかと思います。
 
また、米国の損害保険会社Progressiveは、自動車に搭載された通信機器から収集したデータを元に保険料のディスカウントレートを決めるというUBI(User Based Insurance: 利用ベース保険)を提供しています。同社では、ODB2ポートに接続する「Snapshot」と呼ばれるデバイスから、急ブレーキ、急ハンドル、急発進といった車両の挙動データや走行データなどを収集し、これらを分析することにより、契約者ごとに割引率を決定しています。さらに、最近では、解約率を下げるために、第三者機関からのデータ(気象情報、犯罪発生率など)を組み合わせて、気象条件や時期に走行地域により、安全なルートをドライバーにアドバイスする付加価値サービスも提供しています。
 
このように、企業では、競合他社との差別化のために、データのリアルタイム分析に基づいた高付加価値サービスを提供したり、その開発を行ったりする機会が増えています。独自のデータを収集し、複数のデータを組み合わせ、リアルタイムに分析できる環境の構築が今後ますます重要になってくるでしょう。
 
 
北瀬公彦(きたせ きみひこ)
ホートンワークスジャパン株式会社 マーケティングディレクター。

前職の日本IBM株式会社ではクラウドエバンジェリストとして、SoftLayer、BluemixをはじめとしたIBMクラウドの魅力を伝えるべく全国各地を奔走。2016年6月、ホートンワークスジャパン株式会社に入社し現職。オープンソースをベースにした次世代データプラットフォームのマーケティングを担当。『SoftLayerシステム構築実践ガイド』(インプレス)、『CloudStack徹底入門』(翔泳社)、『すべてわかる仮想化大全』(日経BP社)など著書・共著多数



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