JDMC会員による「リレーコラム」。
メンバーの皆さんそれぞれの経験・知見・想いをリレー形式でつなげていきます。
今回、バトンを受け取ったのは、株式会社あおぞら銀行・佐藤 涼郁さんです。
JDMC会員の皆様、はじめまして。株式会社あおぞら銀行の佐藤と申します。JDMCには本年10月より参加いたしました。入会から間もなくこのような発信の機会をいただき、感謝申し上げます。
私が所属するあおぞら銀行ですが、おかげさまでインターネット専用の個人のお客さま向けの支店(BANK支店)がご好評をいただいており、銀行名を耳にされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。私はデジタル企画部に所属しており、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進を目的に日々活動しています。
デジタル企画部は何をしているのか
社内では、初めて一緒に仕事をする他部署の方や、違う部署で仕事をしている同期から「デジタル企画部(通称:デジ企(でじき))は何をしているの?」と質問されることが少なくありません。
その主因は、デジタル企画部の役割が、他の部署やその担当者の仕事を支援することなので、デジタル企画部自体の仕事は表に出にくく、他の部署や担当者の仕事の結果(成功や失敗)として表に出るからだと考えています。
デジタル企画部がどのような業務に取り組んでいるのか、第三者に見えづらいというのは、私たちの活動が社内でまだまだ広がっていないということでもあります。今後、より多くの部署の方々と協働することが部の課題だと考えています。
このような部署で、私はデータガバナンスを検討するチームの一員としての活動や、BPR(Business Process Re-engineering)を行うための業務の可視化(フローチャートなどの作成)や効率化提案業務に、特に注力しています。
3部協働で編成された「データガバナンスチーム」が始動
デジタル企画部がデータガバナンスの検討を本格的に開始したのは、2023年7月で、コンプライアンス統括部、事務企画部との3部協働でプロジェクトチームを編成しています。
これまでも「データ(情報)」に関連して、デジタルマーケティングを中心とした利活用はもちろん、データ(情報)の管理などの内部統制、そして、それらを適切に行うためのデータベース設計やシステム管理、運用など、さまざまな部署で「データ(情報)」に関連する取り組みを行っていました。
さらに、今年度からスタートした中期経営計画(AOZORA2025)では、これらの取り組みをDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現に結びつけることを目標の1つとしています。 具体的には、「多様な情報資産(データ)やデジタル技術を用いて、業務(商品・サービス)や企業文化を変革する」との中期的な目標を実現するため、まずは、データガバナンス・データマネジメントのベストプラクティスを参考にしていこうと、部門横断的にデータガバナンスチームが始動したという形です。
データガバナンスは「現状評価」と「課題の認識合わせ」から
弊社でのデータガバナンス検討にあたっては、分野ごとの有識者はいるものの、全社横断的、俯瞰的に検討する体制が決して十分とはいえず、まず何から始めるべきかの議論から開始しました。その過程で、外部の有識者から知見を得たり、複数の外部団体にも加盟したりしながら検討を進めました。
手探りながらも検討を進めるうちに、まずは、社内のデータに関して「現状評価を行うこと」が課題発見や戦略立案のために必要だと考えました。現状評価を行うにあたり、客観的な評価を目的に、「金融データ活用推進協会(FDUA)」作成のFDUAチェックシートを用いることにしました。
併せて、主観的な評価の必要性から、各部署の有識者の方々へのヒアリングも並行して行いました。金融機関の「標準」と比較することで、私たちの具体的な課題、そして、取り組む優先度を経営や現場の方々それぞれと認識を一つにできると考えたからです。
結果、「社内に多様なデータが蓄積されているのに、データをうまく利活用するアイデアが少ない」という大きな課題を認識しました。足元では、現状評価の結果を担当役員にとどまらず、社長や副社長ともディスカッションを行い、弊社が優先的に取り組むべき課題や解決までの方法、スケジュールなどを検討しています。
データガバナンスとDXの実現に向け、情報交換をしていきたい
前述のとおり、弊社でのデータガバナンスの取り組みは開始したばかりで、まだまだ道のりは長いと感じています。皆さまはどのようにスタートされ、どのような取り組みをされていますでしょうか。情報交換ができますと幸いです。
ちなみに私自身は本年3月まで主に、個人のお客さま向けの営業を担当していました。そのため、データの収集・加工・分析といった体系的な取り組み経験がないほか、社内のデータやシステムについての知見も少ないと感じています。
幸い、弊社の人事制度には、一定期間他部署の業務体験ができる制度があり、その制度を活用し、個人のお客さまのデータを利活用する最前線の現場で仕事をする準備を進めています。勉強することがたくさんあり、各種ツールを利用するためのスキルアップも含めて楽しんで取り組んでいます。 このたび、あおぞら銀行デジタル企画部では、私含め5名の行員がJDMCに会員登録させていただきました。JDMCでの活動を通して、微力ながら私たちの取り組みを還元させていただくとともに、皆様の知見や経験を積極的に吸収し、DXの実現を目指したいと考えております。引き続き、ご指導のほどよろしくお願いいたします。
佐藤 涼郁(さとう すずか)
株式会社あおぞら銀行
デジタル企画部
大学卒業後、2020年4月に株式会社あおぞら銀行に入行。名古屋支店にて2年半、個人のお客さま向けの資産運用相談業務に従事。2023年4月に現部署(デジタル企画部)に異動となり、データガバナンスプログラム、BPRの推進、個人のお客さま向け新規サービス立案プロジェクトなどに携わる。