日本データマネージメント・コンソーシアム

レポート

【レポート】2021年度総会

(事務局・遠藤秀則)

2021年5月20日、日本データマネジメント・コンソーシアム(JDMC)の総会&研究発表会が、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からオンライン形式で開催された。第1部はJDMC2021年度総会、第2部は研究会とコミュニティ活動、またJDMCスタジオの紹介があり、ここではダイジェストで報告する

 

第一部 JDMC2021年度通常総会

 

(開会)

栗島聡会長の開催の挨拶から総会が始まった。

「会長の栗島でございます。本日はご多用のところ多数ご参加いただきまして誠にありがとうございます。またコロナウイルス感染拡大防止の観点からオンラインの総会とさせていただきましたことをご理解いただければと思います。おかげさまでJDMCは今年で発足10周年を迎えることができました。会員数につきましても、正会員が65社、また準会員は180社に近い方々に参加をいただいております。これも昨今のデータマネジメント、データ活用に対する期待の高まりと感じているところです。当コンソーシアムといたしましても、セミナー、カンファレンス等様々な形で会員の皆様に知見を高めていただくための場の提供を進めてきました。、また官公庁、学校に向けての活動など、外に向けてもプレゼンスを高めていくいろいろな取り組みを会員の皆様の支援の下に行ってきております。今年は10周年、節目の年でもあります。今後とも本コンソーシアムの活動へのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。」

 

(議長選任)

定款に従い栗島会長が総会議長に選任され議事が進行された。

 

(総会成立要件)

大西事務局長からオンラインでの出席議決権38個、委任状17個、計55個の議決権が確認され、総議決権の総数65個の1/2を充足しており、定款に基づき本総会は成立することを確認した旨の報告があった。

 

(議案)

出席者に事前送付した議案書をオンラインにて共有しながら、議案書に沿って議事に入った。

・第1号議案 2020年度事業報告承認の件

・第2号議案 2020年度収支決算及び監査報告承認の件

・第3号議案 理事・監事承認の件

・第4号議案 2021年度事業計画承認の件

・第5号議案 2021年度収支予算書承認の件

 各議案について、議事内容について大西事務局長から説明、第2号議案に関しては山本監事より監査結果の報告があった。質疑がないことを確認したのち、各議案は一括して承認された。

 

(新任理事紹介)

新任理事の紹介があり、ご挨拶をいただいた。

 

・日本オラクル株式会社

執行役員 コンサルティングサービス事業統括

テクノロジーコンサルティング事業本部

 小守 雅年 様

 

・三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社

クラウドプラットフォーム事業部

データソリューション部 部長

鈴木 利幸様 

 

第二部 研究会、エンジニアの会 活動紹介

 

研究企画部会リーダーの三菱ケミカルシステム池田さんから今年度研究会のご案内があった。

 

1 AI・データ活用のためのコンプライアンス研究会

あらゆるビジネス活動においてデータを主軸にデザインをしなければならなく、AIが組み込まれているのもデフォルトになりつつある。一方で、企業のビジネス活動における倫理的課題が浮き彫りになるケースが多発している。本研究会においては、データの拡大、AI活用幅の拡大に伴う倫理的課題や今後のビジネス拡大のための着眼点についてディスカッションしていきたい。初年度ではデータ活用のポイントをコンプライアンスの観点で整理し、次年度はつまずきポイントの整理・倫理フレームワークを作成した。今年度は、つまずきポイントへの対応策の検討と倫理フレームワークの深堀りを実践していきたい。

 

2 データマネジメント基礎と価値

   本研究会では、データマネジメントに関わる基礎的な事柄から、ビジネス成果を創出するためのアプローチに⾄るまで、様々な理論や事例からノウハウを集約、さらに体系的にまとめる活動をしている。 2020年度は、データマネジメント概説書(JDMC版)の解説や、大学の講座への講師・テキスト提供、テーマ討議(DX、コロナ)を実施してきた。 2021年度は、データマネージメント ケーススタディの解説や、大学の講座への講師・テキスト提供、事例紹介「ここでしか聞けない話」を予定している。

 

3 MDM とデータガバナンス 

   データが信用を得るための方法は、データの「素性」の整備です。データの在り場所や名前、背景、品質それに意味が揃っていて、人が確認し納得していることです。

 当研究会では、そうしたデータの「素性」をまとめてマスターデータと呼びます。メタデータやリファレンスデータなど含めて、その管理をMDM (Master Data Management)と呼び、方法論をデータガバナンス (Data Governance) と呼びます。

 月一回、共に学び、討議し、研究する会を開催します。非公開のサロンとして事例や理論を共有し、参加者に有益な場を提供します。 

 

4 経営におけるデータ活用ガイドの研究

  当研究会では、今DXと言われる様なデータ利活用プロジェクトに私達自信が携わることになった時に役立つガイドライン作りを続けていく。現在は専門性を下げ、より幅広い層の方が利用できるということを主眼におき「仮想企業」をモデルにした研究や、「ファーストステップガイド」の作成を進めている。また、このガイドライン作りを通して参加者の皆様が自社に対しても都度フィードバックできる様な情報交換、発信の場にもしていく。 

 

5 データマネジメント実践勉強会

H.ミンツバーグ教授が提唱するマネジメントの三要素、アート・クラフト・サイエンスの視点で、データマネジメントの体系化に取り組んでいる。2021年度は、3年継続してデータアートを主テーマに取り上げる。データ視点で組織学習に関する下記手法等の検討を行い、統合化にチャレンジする。

①「U理論」オットー・シーマー ②「学習する組織」ピーター・M・センゲ ③「発想法」川喜多次郎 ④トヨタ生産方式 等。

 

6 IoT AI 研究会

  私たち「IoT・AI研究会」は、過去5年間、IoTとAIをビジネスにどう活かすのか、ビジネス課題をいかに解決するのか、またIoTとAIのデータマネジメントはどうあるべきなのか、「IoT・AIプロジェクト企画・推進者」に貢献することを目的に実践的な研究をしてきた。

2021年度は、ビジネス分科会とアーキテクチャ分科会の成果物を有機的に結合させ、企業全体でどの様にIoT・AIを活用していくべきか、活用できるかに焦点を当て、「IoT・AIプロジェクト企画/推進者」に必要なスキルセットとしてまとめるなど、活動を加速し、自分たちのビジネスにも役立つようにしていく。 

 

7 マーケティングシステム活用研究会

  前期に引き続きテーマは「データ活用人材の育成プログラム作成」。今期は目次づくりから本格的に内容に入っていく予定。昨今ニーズが高まっている分野だけに、人材育成プログラムを作成する議論の過程だけでも自社に持ち返ることができる研究会に仕上げていく。

 

8 オープンデータ活用研究会

  日本企業のDXはまだまだこれからと言われる中、各省庁がこれまで以上に整備されたデータの公開を進めている。政府からのオープンデータとまだまだ途上段階であろうデータ取引市場にあるデータなどを企業や団体がうまく活用することでこれまで以上に、私たち国民の健康や幸福に結びつく様な技術革新やビジネスモデルが発芽する機会は無限に広がると考えられる。そこで先駆者のユースケースの研究は基より、できれば新しい活用方法を生み出すことを目標としたい。

 

続いてJDMC事務局 日立製作所の谷本さんから、コミュニティ活動とJDMCスタジオの紹介があった。

 

コミュニティ活動

JDMCからのテーマ設定ではなく、会員自主的に発足、活動を進めているのがコミュニティ活動、現在は「エンジニアの会」、「実践CRM」、「経営とデータ」の3つのコミュニティが活動中である。ホームページで活動内容を確認の上ドアノックしていただきたい。

 

①エンジニアの会

エンジニアの会は、データ分析の醍醐味、面白さを実際に体感するコミュニティである。

今年度は、エンジニアの会がこれまで扱ってきた「データ分析基盤の構築」、「データ収集」、「可視化」、「分析」のテーマに、「ビジネス課題への提案」を加える。講義やハンズオン、そして実データを活用した分析コンテストなど様々な形式で、これら全てのテーマを年間を通じて学んでいく。 

 

②実践CRM

データ分析はビジネスパーソンの基本スキルとなりつつある。CRMの手法を現場で活かす為にも必要なスキルで、その習得には、データサイエンティストとは異なったデータ分析の身に付け方がある。「CRMを現場で実行できる人材を目指す」をテーマに、「講義」や「トレーニング」などで年間通して活動する。

 

③経営とデータ

JDMCの各種研究会ではこれまで、データマネジメントに関する充分な研究と、会員各位のスキルアップを図ってきた。 国内企業がデータ活用に拍車をかける最後の砦は「予算確保」だと考える。本コミュニティで、失敗・成功の事例を一緒にお話ししながら、「経営者にウン」といわせる「経営とデータ」のお話をしたい。経営的視点でデータ活用を考える会である。

 

JDMCスタジオ紹介

昨年開設された会員のための情報発信スペース「JDMCスタジオ」の紹介があった。スタジオには、撮影用のカメラ、マイク、照明、PC、ミキサーなど映像配信機器が用意され、会員ボランティアスタッフによるJDMC会員向けの公開を想定している。小スペースだがJDMC会員のための共有スペースとなるようブラッシュアップしていきたい。麹町から徒歩2分、会員の皆様の積極的な活用をお願いしたい

 

 

(閉会)

理事会にて会長の選任を行い、満場一致で、新年度の会長に現会長の栗島聡さんが再任されたことが伝えられ総会が終了した。

 

RELATED

PAGE TOP