(研究会リーダー・石田麻琴)
JDMC研究会7「マーケティングシステム活用研究会」は6月17日に今期第一回の研究会をオンラインで開催した。今期のテーマは前期に引き続き「データ活用人材の育成プログラム作成」。初回の研究会ということもあり、今期から参加のメンバーが半数以上を占めていたため、まずは前期までの研究会の取り組みについてからスタートした。
◆「マーケティングシステム活用研究会」とは何か。
マーケティングシステム活用研究会とは「マーケティングシステムをより活用するため、企業に必要となる活用目的や運用組織/人材について研究、実践する研究会」である。マーケティングシステムの機能比較やツールの紹介、ノウハウの共有をメインとした研究会ではない。
これまでの活動として、「第一期:研究会参加企業におけるマーケティングシステム活用の課題を抽出、知識として共有」「第二期:MA実機を用いてPoCをおこない、システムを活用するための課題と解決策を検討」「第三期:青山学院大学大学院のカリキュラムの作成と授業。データ活用人材の育成について掘り下げ」「第四期:データ活用人材の育成プログラムの作成」と各年度のテーマを設定し、開催をしてきた。
前期はコロナ禍、そしてオンラインでの開催が中心になったため、「コロナ前、コロナ後の自社におけるマーケティング活動の変化」「コロナ以降における、必要な人材の検討(事例紹介)」「人材育成プログラムの前文の叩きと検討」「データ活用人材の必要スキルとプログラムでの見せ方を検討」など、序盤で市場環境の変化について議論しつつ、徐々に人材育成プログラムの内容にテーマを移行していった。
◆今期の取り組みと各社での「デジマやDX系のデータ活用人材の育成などの状況」
前期までの研究会の進捗状況の共有、そして今期も引き続き「データ活用人材の育成プログラム作成」をおこなっていくこと、またその進め方については研究会メンバーをチームに分けプログラムの目次ごとにチームの担当を決め進捗させていく予定であることなどを共有した。
また今期から研究会に参加したメンバーとのコミュニケーションも含め、Zoomのブレイクアウトルームの機能を使い、研究会メンバーを組みのチームに分けて、研究会メンバーの各社における「デジマやDX系のデータ活用人材の育成などの状況」について共有と意見交換をしてもらった。
たとえば、以下のような情報共有があった。(抜粋)
・社内にはエンジニアが多く、ツール利用に長けた人は多いが、業務での活用まで言及できる人材がいなかった。その為、ツールの導入先企業で利活用していた方を中途社員として採用し、一緒に提案同行する形式を取るようになった。
・もともとはSI企業だったが、最近はパッケージ販売にシフトしてきている。データ利活用をまさしく推進しているところで、マーケティング部で顧客データの分析などを開始している。
・顧客データは多すぎて業務担当者が利用したいときには専門部門への依頼が必要となる。出力結果や分析結果を確認後のやり直しなどに時間がかかっている。
・社内にて研修制度の導入が始まったが、ツール利活用の研修に偏りがある。業務にどのように使っていくかという所に課題が残っている。
・今年から全社員にIT系のスキルチェックテストを実施している。またデータの利活用含めて社員向け研修ラインナップを拡充している。
多くの企業において体系的なデータ活用人材の育成を模索している状態であることがわかった。今期の研究会も前期と同様、「参加し、意見交換し、アイデアを練り上げていく」成果物だけではなく、その過程でも自社に持ち帰るものが多い研究会にしたい。