【Vol.38】吉松真司氏 「後戻りできない、素晴らしき『データの世界』」


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JDMC会員による「リレーコラム」。
メンバーの皆さんそれぞれの経験・知見・想いをリレー形式でつなげていきます。
今回、バトンを受け取ったのは、マクニカネットワークスの吉松真司さんです。
 

後戻りできない、素晴らしき「データの世界」

 
「ここから先に世界を覗いてみたら後戻りできないようなおいしい世界が待っているのかもしれないですね」
 
今年3月11日、私はJDMC主催のイベント「データマネジメント2016」に初めて参加しました。冒頭の言葉は、その会場で繰り返し執拗に流れていたJDMCの紹介ムービーの中で、エムアイカードの山内さんがJDMCの活動について話されていた内容です。私はなぜかこの一言(実際には何度も聞いたのですが)に強烈な引っかかりを感じてしまい、その後思惑通り(?)まんまとJDMCに入会させていただきました(笑)。
 
研究会にも参加し、「データマネジメントの基礎と価値」と「IoT・AI研究会」の2つの研究会に所属しています。参加して感じていることは、データマネジメントについてはデータ統合の進め方、およびデータの利活用について等、根本的には同様の課題や悩みを抱えていらっしゃる企業やその担当者の方々が多いということです。
 
また、データ統合がうまくいかない、またデータの利活用ができていないという状況そのものを、ビジネスを進めていくうえでの経営課題と直結する問題として認識するということ。そして、このような課題に対しての取り組み方や問題解決手法を知っているのと知っていないのとでは、昨今のグローバルな競争社会を生き抜いていくうえで、企業のデータ戦略としてとても大きな差が生じるのだろうなと考えるようになりました。
 
現在、当社内においても取引先に関するデータが含まれたさまざまなデータソースを統一した情報分析システムを構築するべく、企画や調査を進めています。これまで「データマネジメント」という言葉や概念さえも知らなかった無知な私は、当初はわりとイージーなプロジェクトだと軽く考えていました。ところが、本格的に調査を進めていく中で、以下のような取り組むべき幾つもの大きな課題があることを目の当たりにしたのです。
 
■課題
▽社内システムと取り込むデータをどのように把握するのか
▽システムに取り込むデータソースは多種多様であり、どのようにデータ変換を行うのか
▽個別最適化によって各システムは社内に散在しており、かつそれぞれのルールやカルチャーが存在する。どのように統制していくのか
▽マスターデータの取扱いと運用方法を確立する必要がある
▽データを分析、可視化する上でのロジックおよび手法を確立する必要がある
 
「これは一筋縄ではいかないぞ」と、実はシリアスな案件であると気づきました。それと同時に、非常にチャレンジングで面白い、まさにエンジニア的にはニヤニヤしながら仕事ができる、取り組みがいのあるプロジェクトであるとも感じたわけです。
 
データに関する潜在的な問題を顕在化させたり、取り組み方や問題解決手法をフレームワークとして世の中に提示したりしていく。このことに、JDMCの存在意義があるのだとの認識に至りました。そこで、私は今後JDMCの活動を通して、「データマネジメントとは何たるか」ということを学んでいくのと同時に、吸収した知識を利用して当社内に最大限フィードバックして行くことで、勝手ながら「自称」データエバンジェリストして活動していく所存であることを、ここで高らかに宣言させていただきます!
 
最後に、最近、私にとって社会人生活の中でも最大級のインパクトを受けたIoTやAIに関するセミナーについて、この場をお借りして簡単にレポートさせていただきます。以下、セミナーの一部要約となります。
 
▽世界のデータ量は爆発的に増加し、ハードウェアの処理性能も大幅に向上していく中で、ビッグデータ/IoT/AIの分野は急速に発展している。
▽そんな中でディープラーニングという画期的な人工知能技術が登場し、世界を一変しようとしている。
▽非常に複雑なアルゴリズムを人間が作る場合は、かなりの時間を要する。しかし、人工知能はデータを与えるか、またはデータを蓄積していけば勝手に学習して、アルゴリズムを確立してしまう。
▽さらに、人工知能はコピーできる。1つの人工知能が持つ知識や経験を他の人工知能に移植して共有できる。
▽例えば、世界中の人工知能の知識を共有したら、さらにもっと速く学習して賢くなる。
▽しかも、機械/人工知能は24時間365日休まずに文句も言わずに学習し続けるので、当然、人間よりも速く学習が進む。
▽ソフトウェアの開発工程も、要件定義>設計>開発>テスト>リリースというような、いわゆるウォーターホール型の工程(期間:3カ月~半年以上)から、単純にデータを流し込んで、結果のアウトプットを待つだけに変わっていくだろう(期間:2、3日)
▽つまり、ソフトウェア/プログラムはもはや「作り手の賢さ」ではなく、物量(データ量、計算能力)」の競争にシフトしている。
 
AIの技術的な進歩は我々にとって少し怖いと思えるほど急激に進んでいます。しかも、それでいてワクワクするような未来が訪れようとしているパラダイムシフトの流れの中に、今まさに我々はいるのだと感じ、データの活用方法についても改めて考えさせられました。このように、業務内外で得た情報についてJDMCの研究会を通して今後も情報共有していければと考えています。
 
そして私は、この素晴らしき「データの世界」からすでに後戻りできない程に、どっぷりとはまり込んでいましたとさ……。ありがとうJDMC!(笑)
 
 
SONY DSC吉松真司(よしまつ・しんじ)

マクニカネットワークス株式会社 経営企画室 主任技師。2000年マクニカネットワークス株式会社に入社。2011年頃まで海外ソフトウェア製品の日本語版へのローカライズ、デバッグ、技術サポートを担当。その後、2015年頃まではサーバー、ストレージ製品のSE業務やプリセールス活動。2015年12月に現組織に配属になり、社内システムのデータ連携システムの企画/調査を実施している。