日本データマネージメント・コンソーシアム

会員コラム

株式会社アイエイエフコンサルティング・杉山 みどりさん 円滑なデータ利活用のため、ツール導入の前に確認したいこと

JDMC会員による「リレーコラム」。
メンバーの皆さんそれぞれの経験・知見・想いをリレー形式でつなげていきます。
今回、バトンを受け取ったのは、株式会社アイエイエフコンサルティング・杉山 みどりさんです。

はじめまして、アイエイエフコンサルティングの杉山と申します。弊社はDWH・BI・EPM専門のコンサルティング会社です。

突然ですが、皆さまの現場では、データマネジメントはうまく機能していますか?

データマネジメントへの投資が増える一方で、「欲しいデータがどこにあるのか分からない」「データの使い方が分からない」といった声がよく聞かれます。データ利活用を推進するためには何が必要なのでしょうか。

一般的な方法として、ドキュメントを充実させる、データカタログやデータリネージのツールを導入する、といったものが挙げられますが、これらを用意するだけでうまく活用できるというわけではありません。なぜならば、こういった状況の背景には、以下に挙げるような課題が隠れているからです。

●課題①:さまざまなデータが整理されずに格納されている

整理されていないデータは、探しにくく使いづらい状態です。情報の意味や種類などを基にデータを整理し、統一性を持たせるためにDWHを構築するというのも一つの方法です。

●課題②:利用頻度の高いデータがアクセスしやすい状態になっていない

利用頻度の高いデータは、データ全体の中でも限られる傾向があります。その一方で、一度に見たいデータが複数のテーブルに分散して存在しているケースも多くあります。こういった場合は、複数のデータを一つに統合することでアクセス回数を減らしながら、利便性を向上できます。また、BIで可視化しダッシュボードを提供することもアクセスのしやすさにつながるでしょう。

●課題③:データを提供・利用するための体制が整っていない

組織の中でデータの利活用を推進するためには、中心となってデータマネジメントに取り組むチームが必要です。データを分散管理するか一元管理するか、アーキテクチャをどうするかといった方針を決め、その方針に基づき必要なメンバーとチームを立ち上げます。このチームはデータ基盤の構築だけでなく、データの利活用推進に必要なデータ管理やルールの策定、改善活動といった運用を行います。これにより、データの利活用のしやすさが維持されるのです。

もちろん、ツールの導入も有力な解決策にはなりますが、まずは落ち着いて背後にある課題を見つめること。これが円滑なデータ利活用の第一歩と言えるでしょう。

私たちアイエイエフコンサルティングでは、円滑なデータ利活用のための体制づくりの支援からサポートを行っています。組織に合ったやり方で、顧客とともにデータマネジメントに取り組むことが、データという資産を円滑に利活用するための第一歩となります。

杉山 みどり(すぎやま・みどり)
株式会社アイエイエフコンサルティング

2015年入社。その後大手化粧品会社を中心に、DWH構築やBI開発に従事。

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