日本データマネージメント・コンソーシアム

会員コラム

【Vol.92】Metafindコンサルティング 吉岡さん、 全672ページの超大作、データマネジメント知識体系ガイド「DMBOK2」の攻略法

JDMC会員による「リレーコラム」。
メンバーの皆さんそれぞれの経験・知見・想いをリレー形式でつなげていきます。
今回、バトンを受け取ったのは、Metafindコンサルティング株式会社 吉岡 健さんです。


皆さまこんにちは。Metafindコンサルティング代表の吉岡と申します。

日本語版「DMBOK2(データマネジメント知識体系ガイド第二版)」が出版されて早4年が経ちました。その後増刷を重ね(第5刷)、この手の技術専門書としては異例のヒット作と聞いています。

弊社も監訳者として協力いたしましたが、翻訳作業は困難を極め、言葉の定義一つで喧々諤々。約半年の歳月を経て、ようやく出版に漕ぎつけたことを今でも懐かしく思い出します。

さて、DMBOK2では初版(DMBOK1:2009年)にはなかった「データ取扱倫理」や「ビッグデータとデータサイエンス」などの章が追加されたほか、既存の章にも厚みのある解説が加えられ、かなりの補強がされました。

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第1章 データマネジメント

第2章 データ取扱倫理

第3章 データガバナンス

第4章 データアーキテクチャ

第5章 データモデリングとデザイン

第6章 データストレージとオペレーション

第7章 データセキュリティ

第8章 データ統合と相互運用性

第9章 ドキュメントとコンテンツ管理

第10章 参照データとマスタデータ

第11章 データウェアハウジングとビジネスインテリジェンス

第12章 メタデータ管理

第13章 データ品質

第14章 ビッグデータとデータサイエンス

第15章 データマネジメント成熟度アセスメント

第16章 データマネジメント組織と役割期待

第17章 データマネジメントと組織の変革

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この本はもちろん冒頭から読んでもよいのですが、なにしろ全672ページの「超大作」。やはり、眼前の業務など何らかの目的に合わせて、読み進めるのが良さそうです。そこで今回は、いくつかの利用シーンを思い浮かべながら、どの章を読むと良いかを考えてみました。

Case.1:データマネジメントの基本的な概念や用語を学ぶ

・データマネジメントの目的や必要性、どのように取り組めばよいかを知る(第1章)

・データマネジメントを実施する上で必要な組織や制度を理解する(第3章)

まずはデータマネジメントの「基本」から。上に挙げた2つの章は、データマネジメントの目的がなんであれ、共通して考慮すべき概念や用語が解説されています。特に、これから全社的にデータマネジメントを進める立場の方々に、ぜひ読んでいただきたいです。


Case.2:データ利活用基盤の整備方法を検討する

・データレイクやDWH、DM/BIの基盤配置や、それらに求められる機能構成を把握する(第11章)

・業務を横断した横串集計に必要なマスタデータの整備方法を検討する(第10章)

・利用者にデータの意味や形式の情報(メタデータ)を提供する仕組みを検討する(第12章)

・上流の業務システムも含め、企業全体のデータの構造や配置、連携方法を見直す(第4章)

昨今、DXの浸透とともにデータ利活用基盤を整備する企業が増えています。基盤の整備方法をすぐに知りたい場合は、第11章を読むだけでも良いでしょう。この章をきっかけに、必要に応じて他の章を読み進めていくと、より理解が深まると思います。

Case.3:機密情報の保護、統制方法を検討する

・機密情報に対するデータアクセス権限の管理方法を把握する(第7章)

・権限付与範囲を決定する責任者や、監視統制プロセスを検討する(第3章)

データ利活用が進展すると、不特定多数の利用者が多種多様なデータにアクセスする状況が予想されます。こうなると、機密情報の利活用に対して全社で一貫したルールが必要となります。

個人情報も含めた機密情報の管理方法や、難読化などの技術方式に関しては第7章で一通り語られています。この内容を踏まえつつ、第3章の全社ガバナンスの視点で運用体制を検討すると良いでしょう。

ここまでDMBOK2の利用シーンをいくつかご紹介してみました。基本的には、自分が抱えている課題や関心事に近い章から読むことをお勧めします。そして、読み進めていくうちに、他のいくつかの章と関連があることに気付くはずです。 というのも、データマネジメントはいくつかの施策の合わせ技で実施することがほとんどです(例えば、データ利活用推進には基盤構築だけでなく、マスタデータマネジメントやメタデータ管理も必要になる)。自分の関心事から少しずつ範囲を広げながら読み進めることが、データマネジメントの理解を深める有効な方法だと考えています。


吉岡 健(よしおか けん)

Metafindコンサルティング株式会社 代表取締役
DAMA日本 企画担当理事

データマネジメントコンサルティング会社にて、全社データマネジメント導入や大規模データモデリング、データガバナンス組織構築に従事。2017年6月にMetafindコンサルティング株式会社設立。DAMA-DMBOK2の日本語翻訳を手掛けるとともに、国内のデータマネジメント分野の普及・定着化に尽力する。

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