【Vol.62】富士通 黒瀬達也さん、「業務としてのデータマネジメント」に前向きに取り組む

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「業務としてのデータマネジメント」に前向きに取り組む

JDMC会員による「リレーコラム」。
メンバーの皆さんそれぞれの経験・知見・想いをリレー形式でつなげていきます。
今回、バトンを受け取ったのは、富士通株式会社の黒瀬達也さんです。

 

WGでの学習会体験を通じてデータモデリングの強力さに開眼

初めまして、富士通の黒瀬と申します。JDMCには2020年2月に参加させていただいたので、ちょうど1年になりました。

私自身は今、データマネジメントに関する仕事は行ってないので、その領域に関しては、いわばノン・プロですが、もともとは10年以上前にデータモデリングの面白さに気づかされ、社内のWG(ワークグループ)やDAMA-J(データマネジメント協会 日本支部)でも勉強させていただいていました。その後、より実践的なことを知りたいと思い、JDMCに参加させていただいたのです。

今回のこのコラムでは、私のデータマネジメントに関する背景や思いについて書かせていただきます。個人的な内容で皆様のお仕事のお役には立ちませんが、どうぞご容赦ください。

そもそもデータマネジメントに関わるきっかけは、社内のプロフェッショナル制度に関連したデータモデリングWGに興味がわいて、2008年に参加したことでした。このWGの活動のひとつに「モデリング道場」がありました。これはメンバーが自分の業務モデルを書いてきて業務を説明し、みんなで議論しながら課題を抽出したり、業務の整合性を確認したりするという活動です。

たとえば自動車業界や住宅業界といった業界の、ごく一部の業務に関するモデルが持ち込まれるのですが、当然、持ち込んだ人以外はその業務の知識はほとんどありません。でも、データモデリングのプロにモデルの読み方を教えてもらいながら議論を進めていくうちに、その業務を知らない私のようなメンバーでも、どんどんいろいろな質問を出せるようになり、課題などにも気づけるようになったのです。これは本当に驚きでした。この体験をきっかけに、データモデルの強力さを実感することができました。

 

社内へのデータマネジメント普及を目指してボランティア活動

2013年頃からはWG主査を任せていただき、さらに2015年からは、DMBOK(データマネジメント知識体系)についても参加者の間で勉強を始めました。すでにDMBOK日本語版出版から6年が経っていましたが、データ視点でこんなに整理されたものがあるのかと、恥ずかしながらこの時、初めて知りました。当社の多くのプロジェクトではお客様のデータを扱っており、さまざまな課題もあったのですが、それまでデータに特化した標準プロセスは存在していませんでした。そうしたことから、WG内では「この課題を解決するために、DMBOKの知識や技術に基づいて仕事を行うことを、社内に広めていくのが良いのではないか」という思いが高まってきていました。

そこで2016年には「データマネジメントWG」に名称を変更し、自分たちの勉強も行いつつ、社内へのデータマネジメント普及や人材育成をテーマに活動することにしました。WG自体は完全なボランティアなのですが、ありがたいことに参加者は普及に熱意を持った方ばかりだったので、かなりの時間をさいて、それまで自分たちが勉強したことを資料にまとめ、半日コースのデータモデリングの入門講座としてまとめることができました。この「入門講座」は任意の研修でしたが、半期に一度、常時10~20名程度の方々に参加いただき、ほんの少しずつですが普及に貢献できたことが嬉しく思えた活動でした。

また自分で資料を作成したり話をする体験が、自分自身の理解に大きく寄与することも実感しました。この普及活動は現在も続いていて、2021年3月にはさらに新しい2つの教材を作って社内でオンラインセミナーを開催する予定です。今年のWG参加者は昨年の2倍以上に増えていて、徐々にですが当社内にもデータマネジメントに関するすそ野が広がっているのを実感して嬉しく思っています。

 

ついに今春から「業務としてのデータマネジメント」を起ち上げ

このWGには、ここ数年、社内のデータ関連商談の相談なども時々寄せられるようになってきて、ボランティアでは限界があると感じていました。WGの仲間とも「やはり、仕事としてきっちり取り組みたいね」という話をするようになりました。そうして数年間いろいろな方と調整してきた結果、この2021年4月から、データマネジメントの標準化や普及、プロジェクトの支援を業務として取り組む、小さなチームを起ち上げられることなったのです。念願だった仕事がいよいよ始まるとあって、誰も気持ちが高まっています。とはいえ私自身はまだまだノン・プロの域なので、引き続き社内WGやJDMC、DAMA-Jで勉強を続けてスキルを磨いたり、すそ野を広げたりしながら、仕事としてデータマネジメントの経験を重ねながら実践力をつけ、近い将来はプロとして取り組めるようになれたらと願っています。

データモデリングをはじめとしたデータマネジメントの知識や技術は、データ活用をはじめ、DXを進めるために必要な基本スキルだと思っています。プロジェクトマネージャーが全員PMBOKを知っているのと同様に、データに関わる人全員がDMBOKなどのデータマネジメント知識を知るようになる日を思い浮かべながら、データマネジメントにこれからも関わっていきたいと思っています。

 

黒瀬 達也 (くろせ・たつや)
富士通株式会社 ジャパン・グローバルゲートウェイ

岡山県出身。特許パッケージの開発・導入や官公庁SEを経て、現部門では標準化やグローバルデリバリーの推進を担当。業務では、1990年代の早い時期から、特許の非定型・大量データや、様々な業種のデータを取り扱ってきた経験を持つ。データマネジメントについては社内WG主査のかたわら、JDMC、DAMA-Jなどに所属して鋭意勉強中。