2017年3月8日、「データマネジメント2017」の受付は、アーリーバードセッションの参加者で早朝から混雑していました。8つのアーリーバードセッションの中から、まずは次のセッションの概要をご紹介します。
■毎朝たった15分だけでOK!「データ活用力」を簡単につける方法
株式会社ECマーケティング人財育成
代表取締役
石田 麻琴 氏
社内のデータを収集する仕組みができた。データを集計する仕組みも導入した。しかし、いざ可視化したデータをみても「これをどう次の施策に活かせばいいのか?」がいまいちわからない。ビッグデータに取り組んでいる会社の悩みのひとつでもある。
集計したデータを、仮説そして次の施策へと結びつけるためには「データの活用」の原理原則を再認識する必要がある。「データ活用」「データ分析」「データを読む」。言葉は違えども、いずれも同じ意味を持っていると認識してもらって構わない。
まずデータ活用は、過去のデータと現在のデータの比較から始まる。同一期間同一条件で集計したデータを比較して、どこにその変化があるかを探すことがスタートなのだ。過去のデータと現在のデータの比較の次におこなうのが、データの変化の原因を探す行動である。データの変化の原因にはふたつのパターンがある。ひとつは自分たちの起こしたアクションを意味する「内的要因」。もうひとつは市場の変化によって引き起こされた「外的要因」。このふたつだ。
データの比較、原因の整理をおこなうと仮説を立てることができる。次に行なうことは施策の決定になる。自分たちがどんな「内的要因」を起こせばいいのか、「外的要因」に対してどんな対策を行なえばいいのか、それを検討し実行するのである。そして、最後に現在のデータと未来のデータの比較を行なう。データの変化が「内的要因」によって起きたのか、「外的要因」によって起きたのかを探すのだ。
データの比較、原因の整理、仮説と施策の検討、そしてデータ検証。この4つを回すことこそ、「データ活用」なのである。ここでのポイントはどこにあるか。それはデータ側ではない。「データ活用」の本質とは、データを見ることだけではなく、その裏側に隠れた原因を整理し続けることにある。
このデータ活用の理屈を自社のマーケティングチームが身につけるのは簡単なことではない。そこで紹介したのが、「実行数値管理表」というデータ活用力を簡単につける方法だ。この「実行数値管理表」は、日々の成果数値と実践施策を整理し、その「原因と結果」の相関性を見つけることに役立つ。毎日繰り返し運用をすることでデータが動くときにはどのようなことが起きているか、イメージがクリアになっていくはずだ。
正に「なんでデータが動いたか、がわかれば、どうすればデータが動くか、がわかる」ということなのだ。