報道発表資料
2014年3月7日
一般社団法人
日本データマネジメント・コンソーシアム(JDMC)
JDMCが2014年よりデータマネジメント賞を設立
~データマネジメント賞 大賞、各賞が決定~
一般社団法人 日本データマネジメント・コンソーシアム(略称:JDMC、東京都江東区豊洲、会長:浜口友一)は、データマネジメントにおいて、他の模範となる活動を実践している企業・機関などの中から優秀なものを選定しデータマネジメント賞として、大賞と各賞を決定いたしました。今回は、その第1回として募集・応募が行われ、大賞には、大阪ガスと協和発酵キリンの2社が受賞したほか5社が各賞を受賞しました。
各賞の選定にあたっては、JDMC運営委員会内に審査委員会を組織し、評価の上、決定いたしました。
この賞を通じ、様々なデータや情報のマネジメントに関する社会的認知を高め、企業・機関などでデータマネジメントを実践する人や組織の活性化を促進し、日本企業・組織の競争力強化へ寄与するものとJDMCでは考えております。
下記の通り、JDMCが3月13日に主催する「データマネジメント2014」にて表彰式を行い、賞の授与を実施する予定です。
記
■表彰式の開催
日時:2014年3月13日(木) 11:50~12:10
場所:目黒雅叙園
※JDMC主催のカンファレンス「データマネジメント2014」のタイムテーブルにて実施予定。
■データマネジメント賞 受賞企業
賞名 | 受賞企業名 |
大賞 | 大阪ガス株式会社 |
大賞 | 協和発酵キリン株式会社 |
データ統合賞(注1) | 株式会社アルク |
データ統合賞(注1) | 株式会社紀陽銀行 |
データクオリティ賞 | ソニー生命保険株式会社 |
データ基盤賞 | ソニー株式会社 |
メタデータ・ガバナンス賞(注2) | 株式会社リクルートライフスタイル |
モデリング賞 | 該当なし |
人材育成賞 | 該当なし |
奨励賞 | 該当なし |
■データマネジメント賞の説明
賞名 | 説明 |
大賞 | データマネジメント活動において、特筆すべき取り組み・成果を出した企業・機関などで、この取り組みが現状および将来にわたり他の模範となると認定された場合に授与。 |
データ統合賞(注1) | これまで困難とされてきた「マスターデータの統合」に果敢にチャレンジし、成果を上げた企業・機関に授与。 |
データクオリティ賞 | データ品質の向上のみならず、品質管理のガイドラインに基づいた運用を含めて、内外の課題解決に著しい成果をもたらした企業・機関に授与。 |
データ基盤賞 | データ分析における基盤構築にあたり、システムだけでなく組織間の連携も含めて著しい成果を上げた企業・機関に授与。 |
メタデータ・ガバナンス賞(注2) | 困難な部門・システム間の調整を断行し、横断的なメタデータ管理ルールを設計・導入した企業・機関へ授与。 |
モデリング賞 | データの現状分析からデータモデリングを再構築し、データの利活用が進み、内外の課題解決に著しい成果をもたらした企業・機関に授与。 |
人材育成賞 | データマネジメント活動を支える人材育成に取り組んだと認められた場合に授与。奨励賞上記各賞に該当しないが、その内容について先進性や将来性などを認められる場合、別途賞を授与。 |
(注1)データ統合賞は、公募時のマスターデータ統合賞から賞名を変更。
(注2)メタデータ・ガバナンス賞は新設。
■データマネジメント賞 受賞理由
大賞/大阪ガス株式会社
経営や事業の高度化に向け、大阪ガスは15年前にデータ分析の専門集団ビジネスアナリシスセンター(BAC)を設置。それ以来、どんな業務のデータを分析すればいいか(見つける)、どのように分析すればいいか(解く)、どうすれば現場が動いてくれるか(伝える)を試行錯誤しながら、データ分析を業務の中に定着させてきた。BACはすでに多くの実績を上げ、事業に欠かせない組織になっている。しかもBACだけではない。同社の情報システム子会社であるオージス総研には、分析のための基盤技術などを担うデータサイエンスセンター(DSC)、データの一元化やデータ品質に責任を持つDUSH(DataUtilization Support&Help)センターがある。BACとこれらが三位一体となって、大阪ガスの経営・事業を支える体制となっている。データ高度利用の象徴的かつ代表的な取り組みであり、「大賞」にふさわしいと評価する。
大賞/協和発酵キリン株式会社
情報システム群の中心に2つのデータベースを置き、各システムはそれを介して連携動作する--。このようなデータ中心のアーキテクチャにより、協和発酵キリンは個別システムそれぞれの独立性と、システム全体の柔軟性(変化対応性)を高度なレベルで維持することに成功している。2つのデータベースとは、各種のマスターを一元化した「マスターHUB」、トランザクション・データを集約した「トランザクションHUB」である。システム全体の柔軟性というだけではなく、データの利活用を含めたデータガバナンスの観点でも理想形の一つであり、よって「大賞」と判断した。
データ統合賞/株式会社アルク
英語教材出版社として業界大手のアルクでは、提供するサービスごとのシステムで顧客情報を管理、一元的にみることが難しくデータ分析を通じたマーケティング施策へ十分に活用しきれない課題があった。また、複数あるウェブサイトでは、利用者が都度ログインするための操作が必要だった。これらの課題を解決すべく、最初はDWH/BIの組み合わせで検討したが、時間がかかり過ぎるため、数百万件規模の顧客データを統合し、このデータベースを通じ各事業部門の担当者がデータを分析できるようになった。マスターデータの統合を通じ事業へ貢献する本取り組みを評価し「データ統合賞」と判断した。
データ統合賞/株式会社紀陽銀行
紀陽銀行では業務毎に構築した情報システムが100以上あり、それぞれが管理する顧客や取引に関するデータを連携させたり、横断的に分析するのが困難な状況だった。この問題を解決するため、システム子会社の紀陽情報システムは様々なソリューションを検討。物理システムはそのままに仮想的にデータを統合する技術を採用し、顧客軸で整理したレコード数が330万件以上、項目数が557に及ぶ仮想データベースを、2.5ヵ月という短期間で構築した。BIツールからは単一のデータベースに見えるので、分析も容易にした。「仮想的なデータ統合」という実績の少ない技術に積極的にチャレンジし、業務側の要求に耐えるシステムを構築した取り組みは他の模範となるケースと言える。よって「データ統合賞」と判断した。
データクオリティ賞/ソニー生命保険株式会社
膨大な顧客・契約・担当者の複雑な関係を正確に名寄せし、契約基幹マスターを構築し、関連するサブマスターを廃止した。これにより一元的なデータ管理を可能とし、契約と顧客との関係、契約と担当者の関係ならびに顧客と担当者の関係が動的に把握されることにより、各視点(顧客、契約、担当者)から多様な検索も可能になった。データ管理精度向上が図られ、手続き漏れリスクを軽減したのは大きな成果である。さらに今後担当者が高齢化した際のスムースな担当者変更と顧客との良好な関係継続が促進された。この名寄せとデータクレンジングを中核とする意欲的な取り組みを「データクオリティ賞」と判断する。
データ基盤賞/ソニー株式会社
ソニーでは事業所からの電力使用量、水使用量などの環境データを世界165もの事業所から定期的にデータを収集し、テーマ毎に分析することで環境負荷削減に生かしている。
環境管理システムをクラウド上のサービスに刷新し、海外のユーザーのための多言語対応や煩わしい製造単位の自動変換機能(ガロン、フィートなど)などデータマネジメントへの取り組みで業務効率を4倍に高めた点と、同様の仕組みを必要とする他企業も意識してベンダーと共にサービスを進化させてきた活動に対し「データ基盤賞」と判断した。
「ホットペッパー」、「じゃらん」などで有名なリクルートライフスタイルでは、利用者の行動ログ等を分析し、それぞれの利用者に対してより精度の高いレコメンドやマーケティング企画連動などを行うために数百テラバイト以上のビッグデータを活用している。その分析・活用業務をスピードアップするために、様々な関連システムから生み出されるデータの意味・粒度などを棚卸し・アセスメントし、生成データやリレーションを再定義・可視化して情報共有するルール・組織を構築した。これにより、事業責任者であるビジネスプロデューサーからの分析要請に対応するために、従来要していたIT開発担当者やアクセス解析担当者への個別の確認作業を削減し、ビジネスのスピード向上に貢献した。データ利活用の障壁となるデータガバナンスに地道に取り組んだ同社を「メタデータ・ガバナンス賞」と判断した。
以上
■本リリースに関するお問い合わせ先
一般社団法人 日本データマジメント・コンソーシアム
2014年データマネジメント賞 事務局 E-Mail:info@japan-dmc.org
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