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データマネジメント2014 開催後記

去る3月13日、目黒雅叙園にてJDMCの年次カンファレンス「データマネジメント2014」が盛況に開催されました。企画推進メンバーを代表してJDMC運営委員長の株式会社リアライズ 大西浩史さんと、JDMCセミナー部会メンバーの株式会社日立製作所 谷本一樹さんに、裏話や開催にこめた思いなどをお聞きします。

事務局 今回の「データマネジメント2014」は大盛況でしたね。

大西 はい。1000名以上の事前登録をいただき、強風と雨という悪天候にもかかわらず700名近いかたにご来場いただきました。基調講演はもとより、各セッションにも多くの方に参加いただいて、データマネジメントへの関心の高まりを実感しています。

事務局 ところで、お二人は普段もセミナーなどの企画に携わっておられるのですか?

<大西さん(写真左)と谷本さん(写真右)>

谷本 いいえ。大西さんは情報活用の実現を支援するリアライズの社長ですし、私もETLツールの製品を担当していてセミナーに関してはまったくの素人です。JDMCのカンファレンスにはJDMCの運営委員会メンバーやセミナー部会メンバーの多くが関わっています。その大半のメンバーもセミナー運営の経験があるわけではありません。でもデータマネジメントの意義をできるだけ多くの方に知って欲しい、共有したいという”思い”で、知恵を出合いやっています。
 
 

事務局 カンファレンスの企画では、例えばどのあたりにこだわりましたか。

大西 参加者とのインターラクションですね。昨年から基調講演の前に“アーリーバードセッション”を開催しています。通常のカンファレンスでは基調講演があって個別セッションとなるケースが大半ですよね。JDMCカンファレンスでは、アーリーバードセッションでまずマスターデータ管理やデータクレンジング、BIなどデータ利活用の動向、基礎知識などをインプットしていただき、キーコンセプトに対する理解を深めた上で、基調講演や個別セッションを聞いていただきたいということで、このようなセッションを設けました。講師との質疑応答をやりやすくして、理解を深められるようにしています。

谷本 アーリーバードセッションは、昨年9:00開始だったのですが好評でしたので、某メンバーが調子にのって「今年は8:30開始だ」と。それで関係者は8:00前に集合するという悲惨な結果になりました(笑)。でも、ふたをあけると8:30開始にもかかわらず非常に多くの方に参加いただいて、聴講意欲も非常に高かったです。当初は、早朝なので若手のかたが参加しやすいのではと考えていましたが、幅広い層の方に参加いただけています。
 

事務局 いまはやりの”朝活”ですね。そのほかのこだわりは?

谷本 基調講演を含む全てのセッションで、JDMCのメンバーが司会進行をやっています。JDMCのメンバーが司会をすることで、講演者と来場者の質疑応答を、ある程度の専門知識を持つメンバーが取り持つための仕組みです。講演を少しでも多く聴いていただくため、質疑応答が難しいセッションも少なからずあるのですが、参加者と講演者、参加者同士のインターラクションにはさらに工夫をこらしたいと思っています。

 
 
大西 今年からは各研究会の活動状況を説明したり、紹介するボードを設置しました。研究会はテーマが決まっているので、ディープな議論を好むメンバーでいつも盛り上がっています。研究会活動展示という堅苦しい形は改善の余地がありますが、多くの方に立ち止まっていただけたので、研究会に興味を持っていただくよいキッカケができたのではと考えています。

事務局 ところで、毎年、充実したセッション内容になっていますが、どうやって構成を組まれているのですか?

大西 運営委員会やセミナー部会のメンバーが、それぞれの得意分野を持ち寄ってやっています。ユーザ企業のメンバーに旧知のユーザ企業の講演者を紹介して頂いたり、ベンダー企業のメンバーに自社や他社のユーザ企業の事例を紹介して頂いたり、といった形ですね。「データマネジメントに光を当てる」に共感していただけるかたに講師としてご登壇いただいています。営利目的でないイベントだからこそ、皆さん本当に快く引き受けてくださいます。

谷本 また講演をきっかけとしてJDMCの活動をご理解、ご賛同いただき、早速JDMCの会員になってくださることもよくあります。

事務局 今年の基調講演は鯖江市の市長さんが登壇されていましたね。

c2014-2

大西 午後の個別セッションは、ユーザ企業による事例中心に構成していますが、さらに基調講演でも同じような事例だとちょっと重たい感じがするのではないでしょうか。そこでJDMCのポリシーである「企業情報システムのためのコンソーシアムの枠を超え、社会的な影響力がある斬新な活動を追求する」に合った内容として、昨年は韓国の電子政府におけるデータマネジメントの事例、そして今年は鯖江市のオープンデータ活用の取り組みにスポットライトをあてさせていただきました。鯖江市長のご講演で、データの活用の仕掛けといったところより、データを使ってなにかよりよいサービスをという思いと、「やってみよう」という気持ちになっていただければうれしいです。

事務局 「データマネジメント2014」のタイトルのわりには、データマネジメントの手法や関連製品に関する話はアーリーバードセッションだけで、あとは事例ばかりといった印象もありますが。

谷本 結局、データマネジメントがなぜ必要かというと、データを業務や社会で利活用するためですよね。ですから入り口は企業や組織がどんな考え方で、どういう狙いで、データマネジメントを実践しているか、苦労や工夫は何か、どんな施策や体制でやっているか、といったことに焦点を当てるべきと考えています。そこで構成としては事例中心としています。データマネジメントに関する技術解説やツール紹介は事例の中でも折々に触れられますし、スポンサーセッションでは事例を含めた最新のツールや技術の話を聞いてもらうことができます。

 
事務局 なるほど。ところで今年から「表彰制度」もスタートしました。

 
大西 はい。データガバナンスやデータマネジメントに関する作業は地道な活動でなかなか認知されないにくい面があります。そこで表彰の形で外部認定することで、認知を広げたいと考えていました。「データマネジメントに関わる方々がモチベーションを持てる」「社内で認識される」、そういった場を提供できたらと考えたのです。今年その第一歩を踏み出したわけです。さらに制度の充実を図って、「カー・オフ・ザ・イヤー」ならぬ「データ・オブ・ザ・イヤー」と言われるような制度にしていきたいですね。

事務局 確かに、「データマネジメント・オブ・ザ・イヤー」では言いにくいので、「データ・オブ・ザ・イヤー」がいいですね。がんばっている方に光をあてるそういった賞になることを期待しています。
ところで、全て順調そうに見えますが、なにか失敗談はありませんか?

谷本 色々ありますが、毎年の苦労がランチセッションの弁当ですね。JDMCのメンバーであっても、この需要予測ができなくて困っています(笑)。ランチセッションに参加いただく方にはお弁当をご用意しています。全体の参加見込みは比較的あたるのですが、なぜか弁当は余ってしまいます。3年目になりかなり精度がよくなったのですが、1年目はかなりの数の弁当が余りました。ランチセッション、特に弁当の配布についてはかなり時間をかけて議論していますが、皆さん遠慮されているのでしょうか。食事をしながら、リラックスした雰囲気でテーマごとの議論を交わしていただくようなランチタイムが実現できればと考えています。
 

事務局 最後に、今回カンファレンスに参加された方のご意見や、感想をお聞かせください。

大西 来場者の方々が口々に、「あの講演はすごかったね!」、「こんなに本質的な内容が聴けるセミナーはなかなかないよね!」と興奮気味に語り合ってくださっている姿を見かけました。それを会場を走り回りながら横目で見るにつけ、とってもうれしく思うとともに、講師や参加いただいた方をはじめ関わってくださった皆さんの力がひとつに結集したからこそ、こんなにすごいエネルギーが生まれるんだと実感しました。ぜひJDMCの活動に1社・1人でも多く参加いただき、データの利活用により企業価値を高め、『データマネジメントに光を当て』ていただきたいと思います。

事務局 本日はありがとうございました。
 
 
以上
 
 
※データマネジメント2014
http://www.seminar-reg.jp/jdmc/dm2014/

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