(エンジニア会リーダー 寺内 潤)
2019年6月18日(火)、日本橋のyellowfin Japanオフィスにて、JDMCエンジニアの会のキックオフイベントが行われた。エンジニアの会の活動は今年で3年目。さらなる進化を目指した今年度はどのような取り組みが予定されているのだろうか。まずはじめに、エンジニアの会リーダーの峯岸勇さんから開催の挨拶と、今後の活動について説明があった。
1. 今年度の活動について
これまでの2年間は、オープンデータやデータ収集をベースに「データ分析基盤」を作ることを中心に活動してきたが、今年度は「可視化と分析」のフェイズに入る。これまでとは趣旨を変えて活動してゆく。
そこで、JDMC会員企業にご協力頂き、マスキングされたマーケット・顧客データを活用した分析コンテストを計画する。定例の活動ではコンテストに必要な事前知識・手法などを学ぶ場を提供していく予定である。そのゴールとしては、JDMCのカンファレンス「データマネジメント2020」で分析コンテストの表彰式を実施したい。
普段はエンジニアとして活動しているが、可視化・分析にふれる機会が少ないので勉強したい、という方は積極的に参加して欲しい。
つぎに、ガートナーが2015年に提唱した考え方「バイモーダル化」、いわゆる「2つの流儀」の紹介があった。データ分析の世界でも、バイモーダル化が進んできているという。分析を行うには、「アナリスト」の他に、分析するためのデータを整備する「データエンジニア」が非常に重要で、データ分析をユーザーに丸投げせず、「データエンジニア」と「アナリスト」の2つの役割が相伴うことが重要だという。
これらを踏まえて、適切なデータを調達する部門が作れるようなエンジニア、開発のみならず、インフラも作りながらデータ分析・提供できるエンジニア像を理想として、エンジニアの会の活動を通して、そういう人材を増やしていけることを目指したいと挨拶を締めくくった。
2.石川陽一さんの講義
続いて、「様々なデータへのアクセスとビジュアライゼーション」と題して、カブドットコム証券株式会社の石川陽一さんからご講義いただいた。主に「Tableau」の機能と事例を紹介。得意データ分析を行う上で非常に重要なデータの整備の観点から、「Prep」機能についてご自身が構築されたフローをベースに、他の事例も交えてその重要性を語られた。
3.リーダー山田文彦さんから改めて2018年活動の振り返り
次に、エンジニアの会リーダーの山田さんより、今回始めた参加される方を含めて、エンジニアの会の取り組みとその目的を共有するべく、2018年活動の振り返りがあった。
4.今後の進め方
最後に、今後の進め方について質疑応答形式で参加者から様々な意見が出された。
・コンテストが実施される場合はデータの種類と活用のイメージを事前に知っておきたい
・お題が与えられると取り組み易い
・OSSなどを活用をするところから、アイデアベースでやったら良いかもしれない
・最終ゴールとしてコンテストを実施するにしても、ビジュアルだけを競う場にしない。
・データの前処理といった整備する部分を突き詰めていくのも面白いかもしれない
これらの意見を踏まえながら、7月〜10月まで月1回のペースで分析に必要なデータ整備の方法や、参加企業のデータ分析に関する知見の共有の場を設けるなどし、11月からコンテストを実施することで方針が共有された。
今年度の取り組みは、よりデータ分析・活用に向けた具体的なエンジニア像を描きながらの活動となることが想定され、JDMCのコミュニティ事業としてさらなる飛躍の年となることを願い、第1回の報告としたい。