【報道発表資料】 JDMC、2020年データマネジメント賞が決定

報道発表資料

2020 年 2 月 21日

 

一般社団法人日本データマネジメント・コンソーシアム(JDMC)

 

JDMC、2020年データマネジメント賞を決定

~大賞/特別賞/データプライバシー賞/先端技術活用賞/アナリティクス賞など各賞を発表~

 

一般社団法人 日本データマネジメント・コンソーシアム(略称:JDMC、東京都江東区豊洲、会長:栗島聡)は、2020年データマネジメント賞の受賞企業を決定いたしました。データマネジメント賞とは、データマネジメントにおいて、他の模範となる活動を実践している企業・機関などの中から優秀なものに対して授与している表彰制度であり、今年で7回目を迎えます。

今回は、データマネジメント大賞を受賞した株式会社三井住友フィナンシャルグループを含め、8社が各賞を受賞しました。
各賞の選定にあたっては、JDMC 運営委員会内に審査委員会を組織し、評価の上、決定しております。
この賞を通じ、様々なデータや情報のマネジメントに関する社会的認知を高め、企業・機関などでデータマネジメントを実践する人や組織の活性化を促進し、日本企業・組織の競争力強化へ寄与するものと JDMC では考えております。

下記の通り、JDMC が2020年3月5日に主催する「データマネジメント 2020」にて表彰式を行い、賞の授与を実施する予定です。

 

 

<表彰式の開催>

日時:2020年 3 月5 日(木) 9:35‐9:50
場所: ホテル雅叙園東京 (目黒区下目黒 1-8-1)
※JDMC 主催のカンファレンス「データマネジメント 2020」のタイムテーブルにて実施

 

受賞企業

賞名 受賞企業名
大賞 株式会社三井住友フィナンシャルグループ
特別賞 株式会社トヨタシステムズ
富士通株式会社
データプライバシー賞 株式会社NTTドコモ
先端技術活用賞 カシオ計算機株式会社
山形カシオ株式会社
アナリティクス賞 株式会社デンソー
アナリティクス賞 株式会社ルネサンス

 

 

賞の説明

賞名 説明
大賞 データマネジメント活動において、特筆すべき取り組み・成果を出した企業・機関などで、この取り組みが現状および将来にわたり他の模範となると認定された場合に授与します。
特別賞 既存の賞の枠組みにとらわれない、卓越したデータマネジメントの取り組みに対し授与します。
データプライバシー賞 データマネジメントに含まれる様々な実践項目の中で昨今、特に重要性が高まっている個人情報保護に関して、顕著な成果または優れた取り組みを行っている企業・組織へ授与します。
先端技術活用賞 先進的な理論や技術に対していち早く試み、ノウハウや成果を公開するなど、他の模範となる取り組みを実践する企業・機関に授与します。
アナリティクス賞 データ量が劇的に増加する中、業務システム、モバイル・センサーや Web アクセスログなどが生み出す膨大なデータを分析し、実際のビジネスの現場で活用することにより多大な成果を上げた取り組みに対して授与します。

 

受賞理由

 

データマネジメント大賞  株式会社三井住友フィナンシャルグループ

 

■マスターデータの構造を刷新、顧客エンゲージメントを強化

日本企業では多くの場合、部門や業務の必要に合わせて情報システムを構築してきた。事業部門毎に複数の業務システムがあり、顧客管理も個別に行ってきた。日本のメガバンクの1社である三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)も同様で、預金や貸金、為替といった昔からの銀行業務をサポートする各種システムは国内/欧米/アジアなど地域別に構築している。各システムのデータを連携・集約するための情報系システムはあるが、例えばグローバル企業について部門・拠点を跨いで正確な取引情報を収集し、顧客企業グループの全容を把握した上でタイムリーな提案をすることは、簡単にはできなかった。一方で近年の管理会計の高度化により、経費やリスクアセットに対する収益性の把握が重要となり、それらのデータを体系的に整理し統合する必要性が高まっていた。

こうした課題を解消するため、SMBCは情報系システムの高度化と並行して、データマネジメントの刷新に取り組んだ。2016年4月に専門部署として「データマネジメント部」を設置。管理するデータ構造の見直しや標準化、管理コード体系の刷新、データの定義・用途を明確にして発生源まで遡ることができる「データ辞書」の作成、などを実施した。しかし扱うデータ量は膨大でかつ複雑に絡み合っており、先例やガイドラインもなかったため、プロジェクトは困難を極めたが、期日通りに完了させた。この取り組みによって、例えば顧客の部門や事業拠点を横断して取引状況を全体として適時に把握できるようになり、結果、顧客毎にグローバルな目線で最適な提案・取引ができる体制の整備につながった。SMBCグループにおける管理会計の高度化・標準化に寄与することも言うまでもない。データマネジメントの取り組みとして、これは他の規範になるものであり、データマネジメント大賞を授与する。

 

 

 特別賞  株式会社トヨタシステムズ/富士通株式会社

 

■データに着目した機能分析によるシステム刷新と疎結合化

長年に渡り、維持・保守されてきた基幹システム群のモダナイゼーションは、多くの企業において喫緊の課題である。「2025年の崖」という言葉を持ち出すまでもなく、維持・運用コストが高止まりし、新規システム構築の足を引っ張る面もある。トヨタも例外ではなく、グループのシステムを担うトヨタシステムズは、効果的・効率的に基幹システム群をモダナイズする必要に迫られていた。一方で「システムの機能仕様をすべて調査し、リホストやリライトするアプローチでは時間も費用も膨大にかかってしまう」(同社)。このような難題に対し、同社はデータに着目した。例えば各システムが管理するデータの実態を可視化し、あまり使われていない機能を洗い出す、機能間連携が過剰になっていないかをデータからチェックする、といったアプローチである。

データからシステム機能の要・不要を示す根拠を提示できるため、現場の納得感を得やすい利点もある。このアプローチによりトヨタシステムズは既存システム機能を大幅に削減し、また密結合になっている機能間連携を疎結合化することに目途をつけた。レガシーモダナイゼーションにあたってデータから既存システムを分析する手法は、利用部門の納得感という面も含めてありそうでなかったものであり、多くの企業においても応用可能な画期的手法と言える。この点を評価して特別賞を授与する。

 

データプライバシー賞 株式会社NTTドコモ

 

■顧客視点によるパーソナルデータ保護方針の策定と公開

欧州のGDPRや米カリフォルニア州のCCPAを取り上げるまでもなく、個人情報保護--より広義にはパーソナルデータの保護--は、あらゆる企業において必須の取り組みである。しかし何をどこまで実施するかが企業に委ねられていることや、必ずしも優先度が高いとは言えないことなどが相まって、取り組みは進んでいるとは言えない。
そうした中で膨大なパーソナルデータを扱うNTTドコモは、プライバシーポリシーを再編。サービスを所管する部署ごとに分かれていた運用や手続きのルールを統合し、その取り組みを公開した。具体的には、2018年5月にパーソナルデータの取扱いに関する理念を「NTTドコモ パーソナルデータ憲章」として制定。憲章で定める6つの行動原則に基づいた運用が順調に定着し、実績を積んでいることを確認のうえ、2019年8月に憲章を外部に公開した。

その延長上で2019年12月には顧客に提示するプライバシーポリシーを再編。事業者視点だった規定群を、顧客にとって分かりやすい表現に変更した。併せて、顧客である個人が情報の第三者提供などの扱いを確認し、設定できるようにするWebサイトも提供している。膨大なデータを収集・分析・活用するNTTドコモによる、このような透明性の高いパーソナルデータ保護の取り組みは、他の模範となるものである。この点を評価し、データプライバシー賞を授与する。

 

先端技術活用賞 カシオ計算機株式会社/山形カシオ株式会社

 

■生産ライン、品質検査の自動化に向けIoTとAIを実用化

ウォッチや電卓、電子楽器などのメーカーとして知られるカシオ計算機。海外における人件費の高騰や人材不足といった背景があり、より一層の価格競争力と高い品質を追求するため、生産工程の効率化・自動化を図っている。そのために活用しているのが生産設備の異常を検知するIoTや、製造した製品品質を自動判定するAIである。カシオ計算機のマザー工場である山形カシオには、アナログウォッチのムーブメントに組み込む微細な歯車を完全自動生産する設備があり、この設備に部品を自動供給するロボットにより24時間の無人操業を実現している。このロボットの異常を予防検知する仕組みをIoTで、つまり振動を収集する集音マイクとマイコンボードで実装した。ただし、これでは異常の予兆だけを検知できない。そこで両社は波形データを分析。最終的に多変量解析の1つである「マハラノビス距離」をチェックするという解を見い出した。

一方、海外で生産する電子ピアノの組み立ても自動化しているが、品質検査では検査員が鍵盤を叩いて異音の有無を調べている。1人が1日700台をチェックするといい、負担が大きいのに加えて能力の高い人手の不足も顕在化している。そこで音の波形を深層学習するAIを実装し、人の検査員と同等の検査精度を達成した。今年の春以降に稼働する予定だ。データ収集や分析、判断に工夫した点はもちろんPoCに留まらず、いずれも実際の生産ラインで実用化している。こうした点を評価し、先端技術活用賞を授与する。

 

アナリティクス賞 株式会社デンソー

 

■利用部門自身によるデータ分析業務を定着させる取り組み

大手自動車部品メーカーであるデンソーのIT部門は、事業部門が本業に集中するためのIT環境の整備、従業員の多様な働き方をサポートするITツールの提供、事業変革・高度化に対応できる柔軟性の高い業務システムへの移行・刷新、といったミッションを担っている。その1つがデータ分析であり、以前はデータベースから書き出したデータをExcelやAccessで加工・分析していた業務を、Webベースの汎用BIツール導入をきっかけに国内・グローバルで利活用できる分析基盤を構築した。

しかし基盤整備はともかく、データ分析の定着・利用促進は簡単ではない。デンソーのIT部門は利用者教育や個別利用相談、それを通じて得た要望に基づくシステム改善など、様々な施策を根気強く継続し、データ分析基盤の構築当初の3年前には月間100名に満たなかった分析者数を3年で500人に、分析基盤利用ユーザー数を5000人規模に増やした。長年の業務慣習が定着している企業では、データ分析の定着・利用促進まで至らないケースが少なくない中、デンソーの取り組みは、多くの大手企業にとって現実的に参照できる方法である。よってアナリティクス賞を授与する。

 

アナリティクス賞 株式会社ルネサンス

 

■IoTを活用した可視化・分析により顧客サービスを向上

スポーツクラブや介護施設を運営するルネサンスは、よく知られるように会員制度を採っており、会員の継続率を高めることが事業運営に大きく影響する。この点で特に新規入会者の継続率の向上は急務だった。例えば、新規会員のうち6ヵ月以内に退会する割合は約25%というデータが明らかになっていたからである。
そこで会員満足度向上に向け、以前は把握するのが難しかったスタッフ(ジムインストラクターや受付)の行動情報の可視化、分析に取り組んだ。
その分析結果を元に経験値の高いスタッフが、ある顧客に向けカスタマイズしたプログラムを可視化/分析し、他の顧客へ展開している。また、その行動をタブレットで横展開することで、スタッフのスキル平準化に活かすことでで顧客エンゲージメントを向上させている。
顧客が施設を使っている中で自然に行動情報を可視化、導線分析できるしくみとして顔認証などの技術を活用し顧客エンゲージメントを向上させる取り組みも今後行っていく。
スタッフのスキルや勤務に関わるデータを含めて分析することで、顧客満足だけでなく、人手不足雇用難でもスタッフの満足度向上にもつなげている。既存データの分析に加え、これまで把握できなかったデータを把握して分析する取り組みに対して、アナリティクス賞を授与する。

以上

◇本リリースに関するお問い合わせ先

一般社団法人日本データマジメント・コンソーシアム
データマネジメント賞 事務局 E-Mail:info@japan-dmc.org
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