【報道発表資料】JDMC、2022年データマネジメント賞が決定

報道発表資料

2022年 3 月 8日

一般社団法人日本データマネジメント・コンソーシアム(JDMC)

JDMC、2022年データマネジメント賞を決定
~大賞/データガバナンス賞/データ統合賞/先端技術活用賞/アナリティクス賞など各賞を発表~

一般社団法人 日本データマネジメント・コンソーシアム(略称:JDMC、東京都江東区豊洲、会長:栗島聡)は、2022年データマネジメント賞の受賞企業を決定いたしました。データマネジメント賞とは、データマネジメントにおいて、他の模範となる活動を実践している企業・機関などの中から優秀なものに対して授与している表彰制度であり、今年で9回目を迎えます。

今回は、データマネジメント大賞を受賞した農林水産省を含め、5社が各賞を受賞しました。各賞の選定にあたっては、JDMC 運営委員会内に審査委員会を組織し、評価の上、決定しております。 デジタル化を進めるには、データ活用が根幹であり、それを実現するためには、データマネジメントに真摯に取り組むことが必要になります。この賞を通じ、様々なデータや情報のマネジメントに関する社会的認知を高め、企業・機関などでデータマネジメントを実践する人や組織の活性化を促進し、日本企業・組織の競争力強化へ寄与するものと JDMC では考えております。

下記の通り、JDMC が2022年3月10日に主催する「データマネジメント 2022」にて表彰式を行い、賞の授与を実施する予定です。

表彰式の開催

日時:2022年 3 月10 日(木) 9:35‐9:50
会場: ライブ中継
※JDMC 主催のカンファレンス「データマネジメント 2022」のタイムテーブルにて実施

受賞企業

賞名  受賞企業名
大賞  農林水産省
データガバナンス賞  Zホールディングス株式会社
データ統合賞  株式会社カインズ
先端技術活用賞  一般社団法人リテールAI研究会
アナリティクス賞  エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社

賞の説明

賞名 説明
大賞 データマネジメント活動において、特筆すべき取り組み・成果を出した企業・機関などで、この取り組みが現状および将来にわたり他の模範となると認定された場合に授与します。
データカバナンス賞 困難な部門・システム間の調整を断行し、横断的なデータ管理ルールを設計・導入した取り組みに対し授与します。
データ統合賞 これまで困難とされてきた「マスターデータの統合」に果敢にチャレンジし、成果を上げた取り組みに対し授与します。
先端技術活用賞 先進的な理論や技術に対していち早く試み、ノウハウや成果を公開するなど、他の模範となる取り組みに対し授与します。
アナリティクス賞 データ量が劇的に増加する中、企業情報システム、ウェブアプリケーション、センサーなどが生み出す膨大なデータを分析し、さらにサードパーティーデータ等も併せて活用しながら、実際のビジネスの現場で活用することにより、多大な成果を上げた取り組みに対し授与します。

受賞理由

データマネジメント大賞/農林水産省

■農林水産省共通申請サービス「eMAFF」などデータ駆動型農業への取り組み
「2025 年までに担い手のほぼすべてがデータを活用した農業を実践」。この旗印の下、農林水産省は、1)実践的な農業行政の効率化、2)スマート農業の現場実装、3)農業データ連携基盤の構築やそれを活用したスマートフードチェーンの構築を推進している。
その具体事例が、農林水産省共通申請サービス「eMAFF」である。農林水産分野では、約3000 にも上る行政手続きや補助金/交付金申請手続きがある。従来は何らかの申請をする場合、電子申請であっても大量の添付書類を別途郵送する必要があるのが普通だった。eMAFF はこれをオンラインで完結させるサービス基盤。書類撲滅による業務改革とデジタル3 原則(デジタルファースト、ワンスオンリー、コネクテッド・ワンストップ)、および集約されるデータを農林漁業者が戦略的に活用できるようにする。2021 年にはeMAFF とデジタル地図を組合せて農地に関わる情報を統合し、一元管理する農林水産省地理情報共通管理システム(eMAFF 地図)の開発にも着手した。
背景には、農林漁業者の高齢化や労働力不足といった課題に対応しつつ、農林水産業を成長産業にしなければ農林水産業の未来はないという強い危機感がある。このほかにデータ駆動型の農業経営への変革を促す「農業DX 構想」もある。いずれも道半ばであるが、着々と進めているのも事実であり、他の省庁、行政機関にも参考になる取り組みである。よってデータマネジメント大賞を授与する。


データガバナンス賞 /Zホールディングス株式会社

■グループ全体のデータ利活用とデータガバナンスの実現
ヤフー・PayPay・LINE・ASKUL・ZOZO・出前館など、様々な事業会社を擁するZ ホールディングス(以下ZHD)は、多種多彩なサービスを展開する日本有数のネット企業である。グループ全体としては日々の事業活動を通じて様々なデータを収集・管理している。しかしながら、出資や経営統合を通じて各事業会社が傘下入りしてきた業容拡大の経緯や、個人情報保護の観点から、放置しておくとグループ会社が持つデータはサイロ化され、データ管理の難度が高まり、データが十分に活用されない恐れがある。
一方で個人情報などのデータを適切に保護しつつ統合・活用すれば、サービス利用者に大きな価値を提供できる。それは事業価値を高めることにも繋がる。
こうした問題意識からZHD は、従業員のデータリテラシーを向上させる教育プログラムを提供するとともに、グループ各社が保有するデータの所在管理を進め、各社の内外で利用可能なデータの利活用を推進するためのデータカタログの整備などを行っている。こうしたデータの可視化を通じて、データを管理・活用する場合に欠かせないリスクを、①リスク評価・統制、②リスク評価・統制活動の監視・評価、③監査という3 ラインモデルにより管理している。
ZHD の取り組みは複数の事業を展開する企業が効果的にデータをガバナンスするひな形であり、他の模範となり得るものである。この点を評価し、データガバナンス賞を授与する。


データ統合賞/株式会社カインズ

■デジタルで顧客と向き合う基盤を構築
“IT 小売企業”を掲げ、データやデジタル技術の活用を推進しているホームセンター大手のカインズは、EC(電子商取引)サービスを担うシステムの老朽化と、店舗の商品マスタとEC のマスタデータが別々という問題を抱えていた。登録更新は個別に行われ、必要な連携は人が行うため手間がかかり、間違いも起こりやすかった。EC で販売するために必要な画像データも十分とは言えなかった。しかし商品点数は店舗マスタが約30 万点、EC のそれが約10 万点と膨大で、しかも日々変動するため、統合は容易ではなかった。
一方で同社は2018 年に店舗とEC をシームレスに連携させるため、業務標準化や必要なシステム・ツールの導入に着手。同時に組織・体制や従業員の教育にも取り組んできた。この一環として業務担当、システム担当、EC 担当から成る統合マスタチームを発足。統合商品マスタの整備とマスタデータ管理システムの導入・構築を推進した。そして2021 年8月、統合商品マスタを生かしてEC を担うシステムをリニューアルし、稼働させることに成功した。単一の商品マスタを使って店舗とEC における商品を扱えるのは、同社における業務効率や業務品質の向上に加えてO2O(Online to Offline)戦略の実現につながる。
このような、分散・分断化したマスタデータを統合した同社の取り組みは、データ統合のひな形の一つであり、データ統合賞を授与する。


先端技術活用賞/一般社団法人 リテールAI研究会

■マスタの共通化とテクノロジーの掛け合わせによるオープンイノベーションの実現
流通・小売業界におけるテクノロジーの活用は、EC 市場の拡大に代表されるように大いに効果が出ることが期待される。食品・飲料・日用品など消費財メーカーや卸・小売業など約250 社で構成するリテールAI 研究会は、デジタル化やその先にあるDX を進める上で、「現場と経営の壁」、「ソリューションベンダーと現場の意思疎通」といった課題感の中、その底流にメーカー・卸・小売間におけるデータのサイロ化があるという問題意識を持った。
そこで、同研究会は、業界共通商品マスタ「J-MORA」を策定し、各社が個別に作成・管理している商品マスタを共通化し、商品情報のやり取りにかかる業務負荷を軽減するとともに、データをオープン化して誰もが膨大なデータに触れられるようにした。メーカー・卸・小売に加え、テクノロジー企業の参画を招び、商品情報と管理システムをオープン化するJ-MORA により、参画企業が商品情報を共同で管理することを基本思想とし、誰でもすぐに正確な商品情報を活用できる環境を目指している。
企業間の壁を取り除き、現場の課題に寄り添うには、システム的に運用費を抑えつつ、データの公開範囲や多用なフォーマットへ対応する課題があった。J-MORA のソフトウェアはAWS、Azure、GCP など主要なクラウドで稼働できるマルチクラウド対応かつ、インターフェースにはSlack、Teams、Line といった主要なチャットツールまで対応している。ソフトウェア自体もオープンソースソフトウェア構成とすることで利用者のコスト負担を抑えることを実現している。
エンタープライズIT の領域で、かつ商品マスタという古くからある分野で、こうした新しい技術を駆使することは、業界全体へ寄与する取り組みであり、先端技術活用賞を授与する。


アナリティクス賞/エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社

■全社的なデータドリブンマネジメント活動を推進
同社はデータドリブンによる経営マネジメントを実現するため、2020 年にデジタル改革推進部を設置。その中で、1)社内マスタデータの整備やデータ品質の向上、2)セキュアにデータを利活用できるデータ基盤整備、3)データ分析人材育成、という3つの施策を進めている。しかし、これらを実現できたとしても、本来の意味でのデータドリブンによる業務遂行や意思決定を定着させたり、データ基盤の利用を促進できるたりするわけではない。
そこで3つの施策に加えて、社内データの存在と利用価値を社内に伝えるべく数百ある社内システムを調査し、主管部門やデータの名称など属性情報をまとめた「データマップ」を作成・公開している。加えて現場部門からの依頼に基づきデータ活用をサポートする専任チームを設置。年間、100 件以上のサポートをこなしている。一例がある営業部門のサポートである。「匠」と呼ぶトップセールスの営業担当者がどのように活動しているか、特に営業提案先の発掘や提案資料の作成にどうデータを活用しているかを明らかにした。
例えば、他の営業部門が持つ顧客リスト、契約中サービスと金額、受注頻度などを組み合わせて、提案先を絞り込む方法といったことである。これをその営業部門だけでなく、他の営業部門にも横展開して効果を上げている。
このようなデータマップの作成・公開やデータ活用サポート、成功例の共有といった一連の活動は、一つ一つは地味だが、全体としてユニークで価値ある取組みと評価する。よってアナリティクス賞を授与する。

以上

 

◇本リリースに関するお問い合わせ先

一般社団法人日本データマネジメント・コンソーシアム
データマネジメント賞 事務局
担当 土田  E-Mail:info@japan-dmc.org
東京都千代田二番町1-2-735  TEL:070-3278-2011

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