【Vol.85】セブン銀行 西嵜靖子さん、DMO立ち上げから半年、試行錯誤しながらの活動を振り返る

JDMC会員による「リレーコラム」。
メンバーの皆さんそれぞれの経験・知見・想いをリレー形式でつなげていきます。
今回、バトンを受け取ったのは、株式会社セブン銀行の西嵜靖子さんです。

JDMC会員の皆さま、こんにちは。株式会社セブン銀行の西嵜靖子と申します。

当社は「セブン‐イレブンにATMがあったらいいな」というお客さまの想いから生まれた、「近くて便利」「信頼と安心」を実現するユニークな銀行です。

“お客さまの「あったらいいな」を超えて、日常の未来を生みだし続ける。”というパーパスを道しるべとして、お客さまの期待にお応えし、人と社会を支え続ける新しい取り組みに挑戦し続けています。

私は、企業変革をミッションとするコーポレート・トランスフォーメーション部(CX部)のAI・データ活用を推進するチームに所属しており、データを活用したパーパス実現を目指し、各部でのデータ活用推進と定着と、そのための人材育成のために、2022年4月、CX部内にデータマネジメントオフィス(DMO)を立ち上げました。

今回のコラムでは、当社DMOのご紹介や、立ち上げや活動を行う中で得られた気付きをお話ししようと思います。

「データ要件定義」の取り組みを、さまざまな企業に広げていきたい

当社のDMOは、大きく分けて以下のような4つの役割を担っています。

① データマートやデータ説明書などを通じて、データを使いやすく整備する
② 積極的なデータ収集に向け、新規サービスの開発時に“データ要件定義”という工程を組み込み、実行する
③ 分析・利活用の相談や学び合う場である「社内データコミュニティ」の運営
④ 法令・リスク面でのガバナンス整備

なぜこの4つなのか、と疑問を持たれる方もいらっしゃると思いますが、「各部でデータを日常的に活用し続けるためには、何が必要か?」とう観点で、DMBOKなども参考にしながら検討を重ねた結果、当社ではこの4つにたどり着きました。 特に②の“データ要件定義”は重視しています。「活用したくても、そもそも(使える)データがない」という課題を抱える企業は多いでしょう。この取り組みを、当社のみならずデータ活用を推進する企業全体に普及させ、世の中のデータ活用を盛り上げていきたいです。


データマネジメントが全社の理解を少しずつ得ながら活動できている「6つの要因」

データマネジメントの取り組みは、「意義や価値を社内に理解してもらいにくい」という難しさがあると思います。

私たちが活動を始めてから半年、少しずつではありますが、着実に全社の理解を得ながら活動できています。うまく進められている理由は、以下の6つがポイントだと考えています。

<データ活用に対するモチベーションの高さ>

①DMO組成以前から、CX部のデータサイエンティストを中心に様々なデータ活用が進んでおり、効果が実感され、各部での機運が高まっていたこと

②データ活用人材育成のため、内製のデータサイエンスプログラム(座学+ハンズオン)を手上げ式で継続的に実施し、データリテラシーやスキル向上の意欲が高まっていたこと(経営層にも行い、データ利活用の意義や現場理解に繋げている)

<スモールスタートでのプロジェクト進行>

③社内各部のヒアリングから得た課題や目指す姿を踏まえ全体感を整理しつつ、やれることから少しずつ活動を始め、共感し協力してくれる仲間を各部に作れたこと

④試作品を作り、実際に使う人に意見を聞き、改良を繰り返す「アジャイル」な手法を採ったこと

<社内外の関係者との良好な関係性>

⑤ビジネスとITとデータを繋ぐ架け橋のような存在として、それぞれのプレイヤーに寄り添った応対を心掛けたこと

⑥社内の仲間に加え、社外の知見ある方々や同じ課題感を持った方からの支援や協力をもいただきながら、一体感を持って推進していること

DMOの本格始動からまだ半年です。実際にやってみて初めて把握できた色々な課題もありますし、組織をまたいで活動することの難しさにも、幾度となくぶつかってきました。

そんなとき、同じ課題感を持って取り組まれているJDMC会員の皆さまは大変心強い存在です。

皆さまのご経験からヒントを得つつ、当社に合ったやり方を模索し、各部の想いを尊重した上で試行錯誤していくことの大切さを日々実感しています。

JDMC理事長・株式会社リアライズ大西さまからの惜しみないアドバイス、日本電気株式会社さま、株式会社野村総合研究所さまのご支援、ご多忙の中快く情報交換に応じて下さる企業の皆さまに、心より感謝申し上げます。

“知のネットワーク”、そして“仲間創り”を大切に、データマネジメント活動を行っていきたく、ぜひ情報交換・意見交換させていただけますと幸いです。引き続き、よろしくお願いいたします。


西嵜靖子 (にしざき やすこ)

コンビニエンスストアチェーン本部にて、店舗システム、新規決済方式などの企画・開発に従事した後、セブン銀行に入社。

セブン銀行では、ATM運営に関する基幹システムの企画・開発や、商品・サービスの企画・開発部門で海外送金サービスの運営等を担当。育児のため2017年に一時退職、2021年に復職し、AI・データ活用チームへ参加。

全社でのデータ活用を推進するため、2022年4月、DMO(Data Management Office)を立ち上げ、データ活用環境の整備・運用、社内コミュニティ運営などを行っている。

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