日本データマネージメント・コンソーシアム

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【報道発表資料】 JDMC、2015年度データマネジメント賞が決定


報道発表資料

2015年3月9日

一般社団法人

日本データマネジメント・コンソーシアム(JDMC)

 

JDMC、2015年度データマネジメント賞が決定

~大賞/メタデータ・ガバナンス/データ統合/アナリティックス/データ基盤 各賞を発表~

 
 一般社団法人 日本データマネジメント・コンソーシアム(略称:JDMC、東京都江東区豊洲、会長:浜口友一)は、データマネジメントにおいて、他の模範となる活動を実践している企業・機関などの中から優秀なものを選定しデータマネジメント賞として、大賞と各賞を決定いたしました。今回は、その第2回として実施しました。大賞には、コマツと三越伊勢丹ホールディングスの2社が受賞したほか5社が各賞を受賞しました。

 各賞の選定にあたっては、JDMC運営委員会内に審査委員会を組織し、評価の上、決定いたしました。
この賞を通じ、様々なデータや情報のマネジメントに関する社会的認知を高め、企業・機関などでデータマネジメントを実践する人や組織の活性化を促進し、日本企業・組織の競争力強化へ寄与するものとJDMCでは考えております。

 下記の通り、JDMCが3月12日に主催する「データマネジメント2015」にて表彰式を行い、賞の授与を実施する予定です。

 

 ■表彰式の開催

 

日時:2015年3月12日(木) 11:50~12:10

場所:目黒雅叙園

※JDMC主催のカンファレンス「データマネジメント2015」のタイムテーブルにて実施予定。

 

■データマネジメント賞 受賞企業

賞名 受賞企業名
大賞 株式会社小松製作所
大賞 株式会社三越伊勢丹ホールディングス
メタデータ・ガバナンス賞 JFEスチール株式会社、JFEシステムズ株式会社
データ統合賞 ライオン株式会社
アナリティックス賞 株式会社あきんどスシロー
データ基盤賞 株式会社クラウドワークス
データ基盤賞 株式会社マイクロアド

 
 
 

■データマネジメント賞の説明

賞名 説明
大賞 データマネジメント活動において、特筆すべき取り組み・成果を出した企業・機関などで、この取り組みが現状および将来にわたり他の模範となると認定された場合に授与いたします。

 
▼ユーザー企業向けカテゴリ

マスターデータ統合賞 これまで困難とされてきた「マスターデータの統合」に果敢にチャレンジし、成果を上げた企業・機関に授与します。
データクオリティ賞 データ品質の向上のみならず、品質管理のガイドラインに基づいた運用を含めて、内外の課題解決に著しい成果をもたらした企業・機関に授与します。
データ基盤賞 データ分析における基盤構築にあたり、システムだけでなく組織間の連携も含めて著しい成果を上げた企業・機関に授与します。
ユーザビリティ賞 エンドユーザー視点でのシステム利用環境を実現した企業・機関に授与します。
アナリティックス賞 データ量が劇的に増加する中、業務システム、特にモバイル・センサーやWebアクセスログなどが生み出す膨大なデータを分析し、実際のビジネスの現場で活用することにより多大な成果を上げた取り組みに対して授与します。
イノベーション賞

新技術(プロダクト、独自開発問わず)によるプロジェクトで、成果を上げた企業・機関に授与します。
奨励賞、敢闘賞、チャレンジ賞 上記各賞に該当しないが、その内容について先進性や将来性などを認められる場合、別途賞を授与いたします。

 
▼ソフトウェア企業向けカテゴリ(プロダクトのみを対象とします) 

ベストテクノロジー賞 一定の実績・マーケットシェアがあり、多くのユーザーに評価されている製品を開発した企業に授与します。
イノベーション賞 新技術(プロダクト)による取り組みで、成果を上げた企業に授与します。
奨励賞、敢闘賞、チャレンジ賞 上記各賞に該当しないが、その内容について先進性や将来性などを認められる場合、別途賞を授与いたします。

(注1)データ統合賞は、公募時のマスターデータ統合賞からデータ統合賞へ賞名を変更。
(注2)アナリティックス賞は、審査の過程で必要と認め、新設。  
 
 
 

■データマネジメント賞 受賞理由

 
大賞/株式会社小松製作所
 
建設・鉱山機械、ユーティリティなどの事業を展開するコマツは、自社製品のサービス付加価値向上のためにデータを差別化の武器として活用している国内企業の第一人者といって過言ではない。2001年より他社に先駆けて建設機械の車両稼働状況を遠隔確認するためのシステム-KOMTRAXの標準装備を開始、現在、世界で約30万台の装備車両が稼働している。
KOMTRAXは、車載した各種センサーと通信装置より、車両稼働状況をデータセンターへ送信し、車両メンテナンス支援、盗難防止の為の遠隔操作、主要部品のライフサイクル管理など、アフターサービスのデータ活用モデル化に成功した。この取り組みは、日本初の先進M2M技術モデルとして「大賞」に値するものと判断した。 

 

大賞/株式会社三越伊勢丹ホールディングス
 
三越伊勢丹ホールディングスの中核企業である三越伊勢丹では、バイヤーや売り場の販売員など、8,000人にも及ぶ従業員がデータを元に自らの日常業務を行っている。「MD情報分析」と「顧客商品分析」の二つのデータベースを使った分析で、前者は、単品単位の販売データや在庫データを持ち、例えば、前週の販売データから今週の販売予測を行い、施策を立案・実行し、成果を常に検証している。後者は、顧客データを持ち、購買データと紐づけて分析を行い、優良顧客の把握や接客に活かしている。データから仮説を立て、実行し、検証するPDCAサイクルが定着しており、分析リテラシー向上のために地道な教育やサポートも組織的に実施している。データ分析を支えるITと組織的な定着化を実現するこの取り組みは、当企業の企業文化にまで昇華しており、「大賞」に値するものと判断した。

 

メタデータ・ガバナンス賞/JFEスチール株式会社、JFEシステムズ株式会社
 
JFEスチール は、旧川鉄・旧NKKの経営統合を機に、両社のシステムを抜本から見直したうえで統合・刷新した。2000万ステップに及ぶ大規模システムをJavaでスクラッチ
開発した。構築期間は2002年~2005年の約3年半で、以降も、必要に応じて拡張を続けている。J-Smileと呼ぶこのシステムの開発成功、および高い保守性、拡張性の原動力となっているのが、データ中心アプローチによるアプリケーションとデータの分離である。最初の開発時点から情報基盤チームを設け、メタデータを含めた概念データモデルを設計・実装した。本稼働以降の保守や拡張のフェーズにおいても、同チームがデータ項目の追加や変更を一元的に管理することで、システムが複雑になってしまうリスクを排除し続けている。まさしく他の範になる取り組みであり、メタデータ・ガバナンス賞にふさわしいと判断する。

 

データ統合賞/ライオン株式会社
 
ライオンでは、基幹システムをメインフレームやオフコンで構築し、市場環境に合わせたIT投資でオープン系のサーバー上でもシステムを構築してきた。中核システムの老朽化とシステム全体の複雑化が課題であった。基幹システムのオープン系への移行、システムごとに分散していた業務アプリケーションのデータベースを1つのデータベースプラットフォームへ統合、システム間を連携させるデータ連携基盤の構築を行った。その結果、アプリケーションはプライベートクラウドへ、業務データは統合データベース基盤へと移行し、データ連携基盤を通じてコード体系のメンテナンス性も高めた。この取り組みは、先進的な取り組みとして「データ統合賞」に値するものと判断した。

 

アナリティックス賞/株式会社あきんどスシロー
 
回転寿司最大手のあきんどスシローは、ICタグを使った寿司の鮮度管理、需要予測に力を入れている。顧客に安心して食べてもらう、食べたいときに食べたい寿司がレーンに流れている、一方で鮮度を管理しつつ廃棄ロスを最少化するためである。
同社が提供する寿司は年間10億皿を超える。それぞれに提供開始の時間、購入された時間、寿司の種類などの情報が付属しており、扱うデータ量は膨大になる。これに顧客のタッチパネル操作履歴が加わる。こうしたデータを柔軟に扱えるようクラウドサービスにアップし、適材適所のBIツールを使って分析やオペレーションに活用している。このようなクラウドを生かしたビッグデータの収集と分析は、ITのローコスト調達と柔軟性・拡張性の確保も含めて、他の模範となり得るものである。よって「アナリティックス賞」に値すると判断する。

 

データ基盤賞/株式会社クラウドワークス
 
クラウドソーシング事業を営むクラウドワークスは事業の急拡大に伴い、集計処理やデータストレージとサービスとを分離し、サービスに負荷をかけず経営指標の分析ができる環境の構築が急務となった。しかし、分析基盤そのものを開発、運用することは事業の目的でない。本業であるクラウドソーシングサービスの開発に集中したいと考え、社内システムのアーキテクチャーはクラウドサービスの採用を中心とするポリシー運営とした。データ分析基盤は「データの収集」「データの蓄積」「データの分析」の3つの要素に分類されるが、これらをクラウド上のETLとDWHとBIサービスを利用して構築し、マーケティング分析をリアルタイムで実現している。また、利用ログの蓄積によりデータ監査の用途でも有効に活用している。クラウドのメリットを十分に活かした先進的な取り組みとして「データ基盤賞」に値するものと判断した。

 

データ基盤賞/株式会社マイクロアド
 
マイクロアド社は、インターネット広告配信サービスを中心としたデータドリブンのビジネスを展開する企業である。同社では高度なスキルを有するデータサイエンティストにより7200億件(100億件/日を72日分)のデータを分析し効果的なRTB(Real-Time-Bidding)を実現している。今回の取り組みでは、さらに価値の高いサービスを提供するために、長期のヒストリカルデータおよび様々な種類のデータをビジネス要件に応じて分析可能とする「データレイク・アーキテクチャ」を、最新技術のSQL on Hadoopをいち早く採用することで実装した。従来のDWHテクノロジーと比較して数十分の一のコストで1.8兆件(180日分)のデータ処理が可能な基盤を実現した。この取り組みは、「データ基盤賞」にふさわしいと評価する。
 
 
以上

 

 

■本リリースに関するお問い合わせ先

一般社団法人 日本データマジメント・コンソーシアム
データマネジメント賞 事務局 E-Mail:info@japan-dmc.org
東京都目黒区上目黒3-12-24-306(ハートウエア21内) TEL:03-5721-4596

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